[1240] ハイト・アシュベリー 5 投稿者:対 投稿日:2004/05/19(Wed) 01:30
不倫終了まで・・・・・あと8ヶ月
あの日以降、由紀の様子には特に変化はなかった。
帰宅しても留守にしていることもなく、週末は家で過ごしていた。
ただ、平日の昼間に由紀が何をしているのかを問いただす勇気が秀一にはなかった。家に電話をしたり携帯に電話をしたりすれば、なんとなく行動はつかめるのだが、浮気を続けている事実に直面するのは辛かった。
そんなことよりも、由紀のこの奇妙な行動自体を秀一は心配していた。カウンセリングに行った方がいいのではと考えたが、事が事だけに慎重にならざるを得なかった。
その日、秀一は早く帰宅できた。
しかし、由紀は不在であった。
7時過ぎに由紀が帰ってきた。
「今日は早く帰っていらしたの」
「今日もしてきたのか?」
お互いに普段通りの口調であったが、変な会話だ。
「早く帰る予定でしたら言って下されば、それなりに調整しましたけど」
「調整か・・・そういう問題でもないだろうが」
「怒っているの?それもと妬いているの?約束通り、あなたには言わないつもりでしたけど」
由紀はそういって寝室へ着替えに行った。
普段着に着替えた由紀は、ソファに座る秀一の前に立って自らスカートを捲り上げた。
「どうこれ」
由紀は下着をつけていなかった。
秀一にさらした恥丘には一筋の金属が光っていた。
よく見ると、腰にネックレスの細いチェーンが巻かれていた。そして、恥毛を縫うようにしてチェーンが股間を通っていた。
ネックレスでできた細い褌のようなもであった。
「貞操帯みたいなものですって。生理現象のときはちょっと困るけど、お風呂で洗えばなんとかなりそうだし、どうしてもあの人がつけてくれっていうものだから」
「そんなもの俺に見せてどうする。嫌がらせか?」
由紀は笑いながら
「それもあるかもね。でも、あの人があなたにはセックスさせるなってうるさいから、どうしたら納得できるか聞いたら、こんなことされて」
「もういいよ。もう見せるな」
「ごめんなさい。しばらくは、あなたとセックスできません。どうしても欲しかったら言ってください。手伝ってあげるから」
由紀は苦笑まじりに言って、キッチンで夕食の準備を始めた。
秀一は、怒りと屈辱で叫び出したくなる衝動にかられたが、『やはり、病気かな?』という想いでそれを堪えた。
しかし由紀を殴りたくなる衝動を抑えられない気がして、何も言わず家を飛び出した。
ラーメンをすすりながら、自分の置かれたあまりにも不条理な現実に果てしない寂寥を憶えた。
そして凛として優しい、あの京子の姿が秀一の脳裡をよぎった。
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