BJ 8/11(土) 04:07:53 No.20070811040753 削除
茶褐色の薄布をかけられ、変色した照明の下に赤嶺は妻を引き入れ、立たせました。
大柄な赤嶺と妻とでは、頭一つ分くらい身長の差があります。
私の立つ場所から見える妻の後ろ姿は、赤嶺を前にしていつも以上に小さく、頼りないものに見えました。
「戸を閉めろよ」
それまで私を無視していた赤嶺が、ようやく私に声をかけました。けれども、その視線は相変わらず妻を捉えたままでした。
妻がどんな表情で立っているのか、私の位置からは見えません。
私は振り返り、こわばった腕で戸を閉めました。
戸の閉まった瞬間、異空間は完結しました。私と妻は蜘蛛の巣に絡めとられたのです。
蜘蛛―――赤嶺はしばらくの間、じっと押し黙ったまま妻を見下ろしていました。
うつむいた妻の顔はその間にもじりじりと伏せられていき、まるくやさしい線を描く肩も次第に下がっていきます。
その肩に、赤嶺の両手が置かれました。
「―――綺麗だ」
誉め言葉というよりも事実をそのまま告げただけのように、短くあっさりした言葉で告げて―――
赤嶺は顔を寄せて、妻に口づけました。
私の瞼はその瞬間に白く霞みました。
私の立つ場所からは、二人の唇が触れ合っているその様は見えません。
見えたのは―――赤嶺の両手に押さえられた妻の肩が、ひくり、と動いたその動作だけでした。
今朝のようには、妻はもはや抗いませんでした。思わず動いてしまったような肩の動きの後には、彫像のように身動きもせず、従容と赤嶺の唇を受け入れていました。
自分を愛していると言う夫。その夫によって他の男に抱かれてくれと望まれる矛盾。当の夫の胸の内ですら未だ乗り越えられないその矛盾を、今の妻が心中でどう処理しているのかは分かりません。けれども静かに赤嶺の唇を受け入れる妻の様子からは、己が身が今夜、眼前の男への供物になるという現実をしっかりと認識しているようでした。
切り捨てようと決意してした鈍い痛みが、私の中で蘇りました。けれどもその痛みが私の意識の刃を尖らせ、身中にやるせない疼きをもたらすこともまた事実なのです。
それは私にとって、そして妻にとって、何より残酷な事実、でした。
しかし、今この瞬間も妻に口づけている男には、妻の痛みも私の痛みも徹底的に無価値なのです。
ゆらり、と―――
妻の唇を奪い、離さないままの赤嶺の瞳が動いて、その夜初めて私を見つめました。
薄暗いこの部屋の中で、そこだけ本当に漆黒のその瞳に貫かれた瞬間、私の身体にぞわりと痺れが走りました。
そんな私の反応を愉しむように、赤嶺の目元がわずかに光り―――
同時に、妻の両肩に置かれたままだった赤嶺の手が動いて、妻の浴衣の帯に伸びました。
手品のようにあっさりと、堅く巻き締められた帯紐は解かれ、するりと床に落ちます。
赤嶺はそこでようやく妻から顔を離しました。瞬間、妻の後ろ姿がくらりと揺れた気がしました。
赤嶺は私から視線を離し、妻を見つめてふっと笑いました。
この男は昔からよく笑う男でした。
皮肉に、不敵に、或いは底抜けに笑う男。
彼の眼前に立つ女は、あまり笑わない、物静かな女でした。
そして時折見せる彼女の笑顔は、いつもどこか淋しげな気配を含んでいました。
まったく別種の性質を持つ二人の男女。けれど―――
―――そんなことは結局関係がないのさ。
再び赤嶺の手が動き、妻の両肩から浴衣を剥ぎ落としました。
果実の皮を剥くような簡単さで、下着のみを残した白い裸身が露わになりました。
「貴女の身体を拝見するのは一年ぶりだ」
低く囁くような声で、赤嶺が言うのが聞こえます。
妻は答えません。また、うつむこうとするその顎を赤嶺の右の手指がつかまえ、上向かせました。
「けれども、少しも変わっていない。いや、むしろ魅力的になったように感じる。肉付きがよくなったせいかな。昔の貴女も美しかったが、少し痩せすぎだった」
上向かせた妻の顔を見下ろしながら、赤嶺は淡々と言いました。
妻の肩がまた、ひくり、と動いたのが見えました。
今この瞬間に妻がどんな表情をしているのか―――
狂おしいほどにそれを知りたいと思いながら、私の足は床にべっとりと張り付いたまま微動だにしないのです。
すっと赤嶺の身体が動き、妻の背後に回りました。
動けない私と同様に、妻も呪縛されたように顔を上向けたまま、同じ姿勢で立ち尽くしています。
妻の背後に回った赤嶺は私などには目もくれず、すべやかな背肌を舐めるような視線で眺めやりました。
やがて、赤嶺の手がすっと妻の背に伸びて―――
はらり、と妻の胸を覆っていた下着が落ちました。
私の唇から音のない声が洩れます。同時に、ようやく呪縛が解け、妻はしゃがみこんで両腕で胸を隠そうとしました。
―――その腕を、赤嶺の太い手が捕らえました。
妻の腕を掴んだのとは別の赤嶺の手には、いつの間にか、先ほど解かれた浴衣の帯紐が握られていました。
「さしあたりこれは必要がないから、しばらく封じさせてもらうよ」
判じ物めいた言葉を吐いた後―――
赤嶺は素早く動いて、妻の両手首を背中に回し、紺の帯紐を巻きつけました。
あっという間に、妻は後ろ手に鎖縛られ、自由を失いました。
縛られた後もなお、妻はさかんに固定された両手を動かして、逃れようとする動きを見せました。今夜、彼女が見せる初めての本格的な動揺。けれども、それは見ていて痛々しくなるような果敢ないあらがいでした。赤嶺はそんな彼女のむなしい動作を目を細めて見やった後、ゆったりとした動作で彼女を背後から抱きしめました。
赤嶺の厚い胸板に覆われて、妻の身体の動きが鎮まりました。
私の目には二人の後ろ姿しか見えません。けれど、赤嶺の両手は剥き出しになった妻のまろやかな乳房をすっぽりと握り締めている―――はずでした。
胃の腑の底が、じわりと熱くなりました。
妻は一瞬、またあらがう動きを見せました。しかし赤嶺の腕がもぞりと動くと、
「あ・・・・・」
どこをどうされたのか、か細い声を上げて妻の動きが止まりました。
「この胸に触れるのも一年ぶりだね」
慣れ親しんだ情人のように囁く声。
「やはり前よりも少し大きくなったかな。綺麗な胸だ。やわらかくて、揉み心地もいい」
赤嶺の腕がまた動き、妻の背中がかすかに揺れ、私の舌は乾いていました。
妻の入院 70
医薬情報担当 8/10(金) 19:22:19 No.20070810192219 削除
乳房の形が変わるほどに握りしめられ、指先で、クリクリとつまみ上げるように強く弄ばれていても、妻は、痛みを訴えません。
誰が、どう聞いても、その声は、快楽を訴える淫声そのものだったのです。
それでも、妻はわが身の家からわき起こってくる、オンナの本能と懸命に闘っていました。
「あぁ、やめて、とって、とってったら」
妻の懸命な声が時折聞こえるのです。
しかし、懸命に訴えても、その自分の言葉すら身体が裏切って、腰がゆっくりとうねるように動くのが止まりませんでした。
男の両手は、絶えず、動き続け、腰から脇を撫で上げ、乳房を絞り上げては、乳首を摘む動作を、しつこく繰り返しています。
あのローションが妻にどう影響しているのでしょうか。
『たまらなくなる』
秘唇を圧迫されたまま、ローションをすり込まれるように、嬲られ続けているのです。
山村看護師が漏らしていた言葉どおりだとするなら、妻の身体中には、オンナの快楽の炎がどうしようもないほど燃え上がっているはずでした。
懸命にこらえようとする妻の腰が、ともすると男のモノをくわえ込もうと動くのも無理からぬことかもしれません。
しばらく、味わっていない妻の美肉の感触を思い出していました。
セックスを始める時は、処女かと思うほどひっそりと閉じたその部分が、ひとたび濡れてしまうと、途方もない柔らかなぬかるみと化すのです。
私の怒張は、そのぬかるみに包みこまれ、そのつもりが無くとも、奥までズブリと一気に飲み込むように入ってしまうのが、いつものことでした。
そのくせ、ピッチリと隙間無く包み込む感触は、やわやわと微妙にうねりながら強烈に締め付けてくるのです。
ことに、妻が恥ずかしがるのを無視して、一気に攻めつけ、脚を思いっきり広げて奥まで入れると、先端がプニプニした子宮に包み込まれるのです。
軟らかな肉ヒダは、数段に別れてギュッと絞るように締め付けてくるのと合わさって、最高の感触なのです。
ともすると、自分の怒張がどのように妻に包まれているのかわからなくなるような気さえするのです。
今、男の怒張は、その軟らかな肉の入り口に押し当てられているのです。
身体が邪魔して、どのようになっているのかは見えませんが、妻のあの狼狽ぶりからすれば、その先端の丸みが、妻の肉ヒダをかき分けるように、くっついているはずです。
いえ、あれほど、うねうねと腰が動いていれば、次第に、奥へ奥へと怒張を誘い込むように美肉がうごめいているはずです。
ひょとして、松ぼっくりのような、その大きな丸みを持った先端が、すでに、半分くらいは埋もれているかもしれません。
男の身体越しに見る妻の腰は、抑えようとしてもじっとしていられないように見えます。
その、淫らな動きは、妻の意識がオンナの快楽に飲み込まれてしまったように見えていました。
『美穂、がんばってくれ』
情けない私は、心の中で、届きもしない声援を送るしかありませんでした。
コメント
何倍にも膨れ上がってくるのは私だけかな?
文章など全然興味はありません。たとえ、文章は
素人っぽさが滲み出ていても、展開にリアルさがある
モノがいいなと思います。
これまでの多くの文章では『寝取られ』主体で気持ち悪い
モノが多のは事実ですね。勿論、そんなのは飛ばしてみますが、
次の作品は・・・と、いつも楽しみに当サイトを開かせて頂いて
います。管理人さん、スミマセンね <m(__)m>
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