もう5年ぐらい前の話ですが・・・。
嫁のA子は、大学時代のサークル仲間で、小柄で鈴木あみに似た顔立ちだった為、サークルのアイドル的な感じでした。
大学卒業前の飲み会で距離が近くなり、付き合いだして、そのままプロポーズして、就職してすぐに結婚。
当初はうまくいってたのですが、結婚してすぐぐらいから夜のほうを拒否されはじめて、セックスレスになりました。
まあ、付き合ってた頃から、A子はセックスがあまり好きではないと言ってましたし(処女ではなかったですが)、それもあってもともと回数もあまり多くなかったのもあったので俺もそれほど気にしてはいませんでした。
まだ二人とも若かったので子供もまだ先でいいと思ってました。
セックスレスになって2年過ぎたあたりの頃でした。
会社を出たら、30前後ぐらいのスーツ姿の女性が立っており、こっちを見て会釈しながら近づいてきました。
背も高く美人と言える顔立ちでスタイルも良かったんで、ちょっとどきどきしつつなんだろうと思っていると
「Bの妻のC美と言います。俺さんにお話があって来ました」と言いました。
Bという名前に聞き覚えが無く、はぁと返事して、促されるままに近くの喫茶店に入りました。
「単刀直入に言いますと私の夫のBとあなたの奥様のA子さんは、不倫関係にあります」
「はぁ?」
最初は何を言われてるかさっぱりわかりませんでした、意味がわからないんですが・・と言おうとした瞬間にC美は、かばんからてきぱきと書類を出して机の上に広げました。
「やっぱりご存知なかったようですね。とりあえず、これを見てください」
俺は震える手で書類をつかみ、ざっと見ていきました。
どうも浮気調査の結果のようで何月何日何時に会って、とか細かい内容が書いてありました。
写真が貼り付けられてるのもあり、見知らぬ男と腕を組んでホテルへ入るところと出るところを撮影されてるのは、間違いなくA子でした。
C美は、知らなかったのなら驚かれるのも無理はありませんね、と告げて淡々と説明してくれました。
Bは、A子と高校時代の家庭教師だったこと。
二人の関係は、再会した2年前からということ。
週2回定期的に会ってること。
写真を見ていくとなんとウチにA子がBを迎え入れてるのもあり、土曜日には、毎週ウチへ来ていたようです。(俺は土曜は出社日)
「私は離婚するつもりですのでA子さんには慰謝料を請求させていただきます。俺さんはどうされるか任せますが、A子さんと離婚されるおつもりでしたら資料をお貸しします。」
離婚するにあたって有利になると思います。とC美は淡々と話しました。
「えっと・・ちょっとだけ時間をもらってもいいですが、あまりに突然のことにちょっと混乱してしまって」
「無理もないです。いずれにしてもすでに弁護士には相談済で一ヶ月以内には、お宅へ主人と伺うつもりですのでそれまでにどうされるか考えてください。」
C美はそういうと手際よく資料を片付けて俺の分も喫茶店代の払いを済ませて出ていきました。
俺はその後1時間、喫茶店で悩んだ末に帰らないわけにはいかなったので家に帰りました。
A子はいつもどおりの顔でおかえりを言ってくれましたが、俺はとても顔をまともに見ることが出来ずに、今日は疲れたのですぐ寝るとだけ言って部屋に篭りました。
A子を見てると今日の喫茶店での話は、悪い夢だったんじゃないかと思えてきます。
けど、セックスレスはそれほど気にしてなかったとはいえ、別の男とやっていたとなると話は別です。もやもやしたなにかが胸を離れません。