第一章①由香里
私は、入社と同時に独身寮に移り住み、社会人として新たな一歩を踏み出しました。
仕事に忙殺されながらも、いくつかの出会いや別れを繰り返しました。
やがて「ひとみ」との別れ以上に辛い別離もあることを思い知ります。
それは、私を恋愛に対し臆病な男にするのに充分な体験でした。
(あんな辛い別れはもう二度としたくない…。 俺には結婚など、まだまだ先の話だ…)
別れを恐れるあまり「友達以上恋人未満」、そんな関係こそが理想だと思い込み始めるのです。
そんな、入社から三年を経た年の春。
私は、所属部署の新入社員歓迎バーベキューパーティーの幹事を任されることになりました。
私の部署は設計と言う事もあり、当時は庶務の既婚女性が一人居る以外、まったく女っ気の無い職場でもありました。
その頃すでにスキーやキャンプの幹事も任され、それなりの人脈もあった私は、他部署の新入女性社員を動員する事にしたのです。
その結果、新入社員その他の独身女性を15人名ほど確保することに成功します。
私の最初の妻、由香里との出逢いは、そのことがキッカケになりました。
由香里はその年の高卒新入社員の一人として、短大卒の新入社員である恵美を伴って参加してきたのです。
驚いた事に私と知り合った時、由香里は処女のままでした。
由香里は、二度目の今の妻、真由美同様、男好きのする顔立ちと肉感的なボディを持ちながら、カソリック系の女子高という環境がその機会を阻んできたようです。
由香里は社会人となり、縁あって私に処女を捧げた後、瞬く間にその性を開花させていくことになります。
彼女の人見知りしない性格と愛らしい笑顔、マイクロミニにタンクトップという健康的な色気は、たちまちバーベキューに参加した男達を虜にしていきました。彼女を中心に女の子達はゲームやイベントに引っ張りだこでした。
しばらくして、彼女は幹事である私が一人準備作業に追われているのを見て、自ら手伝いを申し出てくれました。
すっかり人気者に収まっている彼女を、裏方作業などで占有することなどできません。
私は君はお客さんなんだから皆と一緒に遊んでて欲しいと断りましたが、勝手に野菜や肉などを取り出すと準備を手伝い始めたのです。
余程親の育て方が良かったんだと思います。
テキパキと私の指示を受けながら、段取りその他を手伝ってくれました。
ただ、彼女が立ったり座ったりする度に白いパンティがチラつき、目のやり場が無いのには困りました。
材料の下ごしらえも終わり、今度は私が火起しのために地べたに這い蹲るようにして炭に息を吹きかけていると、私の向こう側に座り込み面白そうにそれを眺めています。
超ミニでしゃがむ彼女の股間をまともに覗き込む形になりました。
パンティを透かして陰毛の陰りまでも見て取れます。
確かにいい娘なんだけど、男の私からみるとスキだらけで無防備過ぎる。 それが由香里に対する私の第一印象でした。
「おいおい、見えちゃってるぞ」
「えー? あ、ホント! キャッ!」
「あ、ホントじゃねぇよ、まったく(笑) 手伝ってくれてありがとな。 それじゃ、皆に準備出来ましたって言って呼んで来て」
「ハーィ」
彼女は立ち上がり2、3歩走り出すと振り返りました。
「美由さんっ!」
「ん?」
「美由さんだけに… サービスっ!(笑)」
彼女はミニの裾をほんの少し持ち上げ、私にパンチラすると走り出しました。
パンツ見られるのなんて何でも無い。 そんな女子高時代のクセが抜けていないようでした。
そんな彼女は私以外の男達のほとんどから交際を求められたようです。
私はと言うと、確かに気になる存在ではありましたが、所詮まだ子供で大人の女の色気を感じさせない彼女には、正直あまり興味は無かったのです。
それが逆に彼女の関心を引く結果になったんだと思います。
帰り際、わざわざ20歳前後の男女が揃うようにと私が割り振った配車を断ると私の車に向かって走ってきました。
「美由さん、乗せてっ!」
「どした?」
「この後、皆でどっか寄るって言ってたから断って来ちゃった。 美由さんは帰るんでしょ?」
「ん? あぁ会社に戻って機材を返さないといけないから…。 でも、良かったのか? せっかくなんだから楽しんでくればいいのに」
「いいの! また今度にする」
「そっか…。 じゃ家まで送ろう」
「うんっ!」
彼女は嬉しそうに助手席に乗り込みました。
「さ、何処でも由香里を連れてって」
「何言ってやがる。 子供はトットと帰るんだよ(笑)」
「えー? つまんないのー」
そう言って彼女は不満そうに唇を尖らせました。
車の中で彼女は色んな事を話し続け、やがて話し疲れて眠ってしまいました。
私の車で無防備に眠る姿はミニから伸びた生足の間からパンティが丸見えです。
(しょうがない奴だな…)
私は苦笑いしながら彼女の体に、着ていたジャンパーを掛け彼女の住む街へ向って走り出しました。
家のそばまで来た時、彼女を起こしました。
「もう…着いちゃった…の…?」
「ああ。 この辺りだろ?」
「あっホントだ! もー、本当に寄り道しないなんて、女性に対して失礼だよ!」
「ごめん、ごめん(笑) また今度な」
「ホントっ!?」
「んー、他に誘う相手が居ない時は声掛けてくれればいい」
「じゃ約束して!」
彼女が小指を立てました。
「あ、ああ。 約束…」
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それから何日かした梅雨のある日。 休憩時間を利用して彼女は私の部署を訪れました。
「美由ーさんっ!」
「ん? おー久しぶり! 今日はどした?」
「今度アメフト部で試合があるんだけど…。 美由さんに一緒に観に行って貰えないかなぁーと思って…」
「ん? あぁ、いいよ、何人くらい? 誰と誰を誘えばいい?」
その頃、彼女の職務の関係で会社の中を走り回る彼女は、いつも生足ミニスカートという姿で健康的な色気を振りまいて、千人近い人間が働くこの会社の中でもかなり目立つ存在になっていました。
上司や同僚達は、何でお前が他部署の彼女を知っているんだと不思議がっていましたが、彼女とはバーベキュー以来、食堂などで顔を合わすと言葉を交わすようになっていたのです。
何かイベントがあったら、また誘って欲しいと頼まれてもいました。
そんな彼女との会話の中で、バレーボール部とアメリカンフットボール部のマネージャーを兼任で任されていることを知っていたので、私はてっきりアメフト部の観客動員の依頼だと思ったのです。
「えっと…私と二人だけで…なんですけど…」
「えー? デートのお誘いかー?(笑) そっか、他にヒマな奴が居なかったんだな?(笑) いいよ? いつ? どこに行けばいい?」
こちらをチラチラ見ているアメフト部の連中の手前、すっかりアイドルに納まっている彼女と二人で観戦するのは気が引けましたが、耳まで真っ赤になって返事を待つ彼女の顔を見ると、断るのも可哀そうで結局アメフト観戦に付き合うことにしたのです。
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試合当日は朝からシトシトと雨が降っていました。
私が車で彼女の自宅まで迎えに行くと両親がわざわざ外まで見送りに出てきました。
「今日は娘が無理言ってすみません。 ご迷惑じゃなかったですか?」
「いえいえ。 どうせヒマでしたから」
「一人娘で育ったもんだから、もー、ワガママでワガママで…」
「もー! なに余計なこと言ってるのよママ! パパもウチに入って入って! もう子供じゃ無いんだから。 さ、行こっ!」
「あ、おい! えっと…それじゃ今日一日、娘さんをお預かりします。 遅くならないうちに返しますから」
彼女はさっさと私の車の助手席に乗り込んでいました。
彼女は相変わらずの生足、超ミニで、スポーツカータイプの私の車の低いシートに身を沈めるとパンティは丸見えになってしまいます。
これじゃあ両親もさぞかし心配なことでしょう。
スタジアムに到着すると私達は傘をさして観戦しました。 練習試合なのか観客は数えるほどしか居ませんでした。
アメフトのルールなど知らない私にはどこが面白いのかさっぱり判りませんでした。
そのうちに彼女が寒いと言い出したので私は自分の懐に彼女の背中を抱え込むようにして座らせました。
「あったかーぃ。 これなら傘も要らないね(笑)」
嬉しそうに自分の傘を畳みました。
私達は一本の傘の中にすっぽりと納まりました。
「なぁ。 今日はベンチに入らなくても良かったのか?」
「う…ん…。 他にもマネージャーの子、居るし…」
「そっか。 ならいいけど…」
「ね、あの○○番の人、居るでしょ? あの人に付き合って欲しいって言われてるの。 それで今日、試合見に来て欲しいって言われて…」
「おいおい、それじゃ俺が一緒じゃまずいだろ。 見られたら誤解されるぞ」
「いいの。 私には好きな人が居ますって言ってあるから。 そしたら、試合の日にそいつを連れて来いって…」
「もしかして…それで俺を?」
「うん…」
そう言われてみれば確かに○○番はこちらをチラチラ見ています。
私の知らない男ではありませんでした。 確か私より2、3歳くらい年上だったかと思います。
「だけど、なんでまた俺? そりゃあ嬉しいけど…」
「他の人みたいに女の子にガツガツした所が無いし、そばに居ると何となく安心できるの」
「ふーん、そんな風に見えるのか」
「バーベキューの時、女の子たくさん居たのに分け隔て無く接してくれたし、先輩、先輩って男の子達にも慕われてるのに、誰一人手伝わせようとしないで裏方に徹してたでしょ? あれ見てなんかいいな、って」
「そんなもんなのか(笑) まあ、幹事だったからな」
「先輩の女の子達も言ってた。 美由さんが居るならスキーもキャンプもまた行きたいって。 結構ファンが居るみたいだよ? でも気付いて無いでしょ?」
「マジかー? チッ、それを知ってりゃ何人か喰えたかもなー(笑)」
「嘘っ! 会社の子に手を出すような人じゃ無いもん。 噂も聞かないし。 それとも誰か会社以外の所に好きな人が居るの?」
「今は居ない。 俺は甘えさせてくれるような年上の人が好みだからな(苦笑)
後輩や君ら見てても弟妹くらいにしか思えないし、恋愛の対象にはならないって」
「年上の人かぁ…。 じゃあー…妹でもいいや! それじゃ専属の妹にしてっ!」
彼女がそう言って私の顔を見上げるように振り返った時、一瞬、唇と唇が触れてしまいました。
彼女はその大きな瞳で私の目を見上げ…やがてその瞳を閉じました。
ドキッとしました。
(いいのか?)
(いいの…)
そんな会話が勝手に私の心の中で交わされてしまいました。
私は彼女の頬に指を添えると唇を重ねていきました。
驚いた事に子供だとばかり思っていた彼女の方から舌を入れてきました。
私の口の中に遠慮がちにほんの少し差し出されたそれを、私は慈しむように舌で絡め取りました。
片手は彼女の張りのある乳房の重みを感じ取っています。
長い時間だったかも知れません。
唇を離すと彼女は私の目を見つめながら言いました。
「エヘッ(笑) あっという間に妹じゃなくなっちゃったね(笑)」
私は久しぶりの口付けに興奮しながらも、とうとう会社の子に手を出してしまったと少し後悔し始めていました。