非名士 8/4(金) 19:07:57 No.20060804190757 削除
「・・・斉藤さんも年だし、結婚すれば、莫大な財産が私のものなのよ・・・」
「ね?・・・斉藤さんが死んでから、また、あなたと再婚すれば良いじゃない。」
妻の多恵子は非人道的なことを言っています。
「・・・そうそう都合よく行くもんか!・・・だいたい斉藤さんの遺族がなんというか・・・」
「斉藤さんは子供いないの・・・それに、私に全部の財産をくれるって言ってるわ・・・」
「・・・」
「それに、自分が死んだら、私があなたと再婚しても良いとまで言ってるの・・・」
リビングのテーブルには、離婚届。
既に妻のはんこは押してありました。
「健はどうする・・・」
卑怯とは思いながらも、私は子供の名前をたてに取りました。
「・・・子供には母親が必要なんじゃないかな?・・・」
「こんな母親でもか?・・・」
さすがにむっとしました。
「・・・裁判だと、母親に権利がいく場合が多いって・・・」
「それは、貞淑な普通の母親だろ!」
大人気ないと思いながら、声を荒げてしまいました。
子供を楯に取る気はなくても、私は長男を大事に思っています。
「・・・あなたを愛しているわ・・・」
妻は私の目を見つめました。
「・・・えっ?・・・」
唐突な妻の言葉に、ほんとに驚きました。