道明 12/6(土) 08:10:16 No.20081206081016 削除
電算室の慰労会の後、二人は洒落た喫茶に来ていた
一郎が美恵子へ語りだした・・・
本社で開発中のシステムは、会社機能を網羅する人事管理システムで、その成否が社運を左右しかねないほど巨費を投じているという
しかし、システム開発の進捗が思わしくなく、大阪での実績を踏まえ、その開発責任者として一郎が選ばれた
そして、応援に大阪の電算室からも人材を連れて行っても良いこととなり
その人を美恵子にしたいとの話だ・・・
「室長、なぜ私なんですか?私には情報処理の知識なんて・・・・」
「美恵ちゃん、室長はやめてよ。一郎でいいよ」
「でも、仕事の話ですから」
「ああ、わかったよ・・君を選んだのは、コンピュータのシステムエンジニアは向こうでも優秀な社員がいるだろう・・・たぶん、トラブルの原因は人間関係にあると私は思っているんだ。本社のプロジェクトだ、唯でさえシステム開発は神経が参ってしまうだろう。向こうに君のような存在の人がいたらと思ってね。だめかなぁ?」
「うーん・・それはちょっと無理があると思いますが・・」
「無理が?」
「はい、社長は室長の仕事を助ける腹心を一人連れてとのお考えだとしたら、それが情報処理の知識のない女性の私では・・非常識と思うのではないでしょうか」
「うーん・・でも、君が居てくれて本当に私は助かっているんだよ」
「そうおっしゃって頂けるのは嬉しいです。でも、男と女ですよ・・会社は室長と私の関係を疑い、まともに理解しないのではないでしょうか」
「そうかなぁ・・・・プロジェクト推進の真のエネルギーを会社は理解できないか・・」
美恵子は一郎の顔を見つめている
一郎はこんな人だ・・・昔も今も
仕事は素晴らしく出来るが、人の事となると鈍感だ・・特に男女のことは
でも、それが一郎の良いところでもあり強さである
決してへこたれる事のない一郎の本分なのだ
「室長。ここは・・大阪にも迷惑はかけられない。一人で東京で頑張ってみるということにして・・・・・」
「えー???」
美恵子は笑って続けた
「もしも・・もしもですよ。こんな私の顔でも見たいとのことでしたら、お知らせ頂いたら、何をおいても駆けつけますので・・・」
「美恵ちゃん・・、本当に君は私のことをよく理解して・・・・・有難う」
一郎も元気に笑った
コメント
この14章までの文章から伝わってくるものが何にもない。
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