道明 12/20(土) 08:53:55 No.20081220085355 削除
美恵子の作った朝食を、美味しそうに食べる一郎がいた
「ご飯に味噌汁・・玉子焼きに漬物と焼き魚か・・・美味い・・うーん、美味い」
一郎の前には、美恵子の笑顔がある
「ご飯のお代り・・しましょうか?」
熱いお茶を入れ、美恵子は微笑みながら一郎を見ている
「うん・・・お願いするか」
美恵子はお代りのご飯を一郎に渡す
・・・・・・・・二人の指が自然と触れ合う
「室長、今日のことなんですが・・私、ディズニーに行きたいのですが・・それで・・室長も・・ご一緒に如何ですか?」
美恵子から一郎を誘うのは、これが初めてだ
「ディズニーか・・ようし、行こう、気分転換して鋭気を養わないとなぁ」
(もう・・・この人は、自分のことを考えてる・・・・でも、それでもいい・・)
ディズニーランドの庭園の中を・・・二人はまるで若い恋人のように歩いていく
夏休み最後の土曜日、家族連れでいっぱいだ
「室長・・・腕を組んでもいいですか?」
「いいよ・・美恵ちゃん」
美恵子は、一郎の左腕に自分の右腕を絡ませ、頬を寄せる・・そして、手をつなぐ
美恵子が一郎としたかったことの一つだ
陽が西に傾きかける頃
ようやく一郎は仕事のことを忘れ、やっと目の前にいる美恵子のことを話しだす
「美恵ちゃん・・・今日、大阪に帰るの?」
「・・・・・・」
「美恵ちゃんとこうしていると・・・ほんとに元気になる、心も軽くなる」
美恵子は、沢山の男性社員が言い寄るほどのいい女だ
しかし、一郎は外見の姿や形を見ていない・・美恵子の個性そのものに魅かれている
「室長・・・私ともっと居たいのですか?でも、私、ホテルも予約していないし・・」
「・・・うーん、じゃ、私のところに泊まるのはどう?」
「でもそんなことしたら、奥様が何と・・・」
一郎は、美恵子の手を取り・・そして、目を見てにっこりと笑う
「美恵ちゃん・・知子は私のことを信頼しているよ・・私は狼には絶対にならないから安心して・・・ただ、ほんとに君と居たいんだ・・もう一日一緒に居て欲しい」
美恵子は立ち上がると、一郎の髪を撫で・・・そして、頬にキスをした
これで美恵子が一郎に、したかったことの二つ目が叶った
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