道明 12/29(月) 08:57:24 No.20081229085724 削除
黙々として、美恵子の作った朝食を食べる一郎
その様子を見て美恵子は願った
(昨夜のこと・・決して謝らないで一郎さん)
一郎が箸をおいた、そして美恵子を見つめる
「美恵ちゃん・・・知子は不倫ではなく、2年前の親睦旅行で学生二人と蓬莱に無理やり犯され、脅かされて関係を続けていたと言うんだ」
「知子さんが犯されて?・・・・いちろ・いや、室長」
「美恵ちゃん!もう、一郎でいいよ・・・美恵ちゃんへの誤解は解けたんだけど・・・君とは、知子が心配していたとおりになって・・・」
「室長、いや一郎さん・・・聞いていいですか?」
「何かな・・・美恵ちゃん」
美恵子は核心を問う
「・・・・後悔されていますか?昨夜のこと・・・知子さんが不倫じゃないんなら」
「後悔?・・いいやそんなこと思わないよ、美恵ちゃん・・・私は知子も大切だが、ずっと君を愛していたんだと思う・・・昨夜、そのことが良く判った・・君の気持ちもね・・」
一郎は、腰掛けている美恵子を後ろからそっと抱きしめる
「美恵ちゃん・・・君がいない人生など、私はもう考えられない・・好きだよ、美恵子」
一郎が美恵子と呼んだ・・・
美恵子は頸を傾け、一郎にキスをせがむ
そのしぐさに、一郎は頬を寄せ美恵子を強く抱きしめ、唇を合わせる
一郎が変わり始めている・・・・
この男が心血を注ぐシステム開発の過程には、必ず悪魔と天使が現れる
そう、カオスの世界をシステム化するには・・・・徹底した現状の分析に拠って、天使のように大胆に構想を練り理想の姿を描く、次に実践段階には悪魔の如く細心になって、実行していくことが必要なのだ
この男、一郎はそれを身に纏っている・・・
一郎は美恵子と甘いキスをしながら
ふと鏡に映る自分の姿が目に入った、手は好きな女を優しく抱きとめ、そして目はその女の顔をみる優しいものから、次第に厳しい眼差しに変わっていく・・・・
(兎に角・・・妻の知子を犯したという・・あの蓬莱は絶対に許せん!)
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