道明 1/12(月) 15:46:43 No.20090112154643 削除
季節はもう春だというのに、一郎のこころの中では真冬の木枯らしが吹いている
ここは家庭裁判所の調停離婚の関係者控え室
一郎は妻、知子との離婚調停を申し立て、今日が第一回目の調停期日である
あのクリスマス・イブの夜
一郎は知子に蓬莱が隠し撮りしたビデオを見せ、離婚を迫った
しかし、知子はあくまで被害者であることを一郎に訴え続け
また、自分が一郎をどれほど愛しているか、そして、二人の子どもの為にも
離婚は嫌だと一郎に懇願した
すでに、一郎が離婚届を役所に提出し、受理されていることを話すと
知子は半狂乱となり、実家に帰って行ったのである
地方裁判所からの呼出状が一郎に届く
それは、知子が起こした「離婚届の無効の訴え」
ビデオに写る淫乱な女・・そんな自分を見た知子
これで、夫婦間の信頼は消し飛び、婚姻関係の継続など当然ありえないはずだった
しかし、知子は一郎の一方的な行為を許さない
そして、離婚届は一郎が一人で記載して役所に届け出たものであるから
裁判の結果は明らかであった
知子は言った
「あなたは恋愛ムードに酔っているだけ
・・・絶対に、美恵子の思うようにはさせない」と
一郎の今回の一連の行動は、美恵子の存在が影響している
夫が知子を許さないのは美恵子がいるから・・・・そう思っているのだろう
一郎は直ちに次の行動を起こし、家庭裁判所へ離婚の調停の申し立てた
人も羨む家庭・・・夫婦であった
何が、一郎と知子の人生を狂わしたのか・・・
旅行先でのたった一度の気の緩み・・それに起因した知子の不貞行為
それを正直に話さなかった妻、犯され、汚された妻を
どうしても許すことができない一郎
それが・・・・一郎を思い続けていた美恵子を巻き込んでいく
まさにカオス・・・・男女の愛欲が入り乱れて混沌の中に入り込む
果たして、光は何処を指し示すのか
人は生を受け、家庭を築き子孫を為す・・・そして人生を閉じる
所詮、人間の人生は一度限り、生まれる時も、死ぬる時も結局はおのれ一人
ならば、自分のこころの赴くまま、生きてみたい
今、自分が心から欲しているのは、自分を真に慕う女性を幸せにすることだと
そう決心する一郎がいた
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