道明 2/7(土) 09:35:33 No.20090207093533 削除
「一郎さん・・・知子さんが離婚届に署名をしたの?」
「ああ・・・あいつ、離婚を承諾して署名をしてくれた」
一郎は自宅に戻ると
知子の署名のある離婚届を美恵子に見せたのだ
「それで、知子さん」
「うん、娘二人のことは私に頼むと
・・ただ、定期的に娘には会わせて欲しいと
それと、加藤のことは自分で考えると言ってた」
「そうですか・・ご自分で?」
「ああ、そうだ・・・知子はもう以前の弱い女じゃなかった
それに、したたかさを身につけている」
「したたかさを?」
「うん・・」
美恵子が一郎の側に寄り添うと
一郎の髪から夫のものでないヘア・リキッドの香りが漂う
「一郎さん・・・あなた、もしかして、知子さんと?」
「知子と?
美恵ちゃん、知子とは何もないよ・・・・・何もない
今の私には、君を幸せにすることが一番大事なことなんだ」
「・・・・一郎さん」
美恵子は一郎の頬に手をあて唇を重ねていく
それはまるで、愛しい男に二度と嘘をつかせぬように
そして、少し隙間のあいた二人の心を埋めるかのように
激しく舌を絡ませていく
しかし・・愛しい男の心に
美恵子にも覗くことのできない部屋ができている
・・・・・・・敏感なこの女は、もうそれに気づいていた
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