道明 2/12(木) 20:35:01 No.20090212203501 削除
リビングは、新夫婦で模様替えがなされている
質素だが洒落た絨毯が敷かれ、カーテンも一新
正面にはデジタル薄型テレビ、その横にサイドボードがある
美恵子はそこから、ワインを取り出し冷やしてあったグラスに注ぐ
「乾杯しよう・・・美恵子」
「はい・・・・・・今日はお疲れ様でした、あなた」
二人はグラスを合わせた
「話ってなんだい?」
「実は娘の学校参観のことなんだけど」
「参観?」
「ええ・・・この頃は、父親が参加している家庭も多くって」
「会社を休んでかい?」
「そうなの・・・うちの子ども達は、私じゃまだちょっと無理なようで
それで、あなたに行って貰えないかと・・・・・」
二人の娘が美恵子に馴染んできたとはいっても
対外的に母親の役目を果たす行事は
美恵子にとっても、娘にとってもつらいことであった
「美恵子、苦労をかけてるな・・・」
「私も頑張ってはいるんだけど、もう少し時間が・・」
「分かったよ、今度は私が休暇をとるよ・・・」
美恵子は、グラスを置くと一郎の肩に頬を寄せ甘えていく
一郎はそんな美恵子を胸に抱き寄せ、髪を撫でる
芳しい香りが一郎の鼻を擽る
美恵子は子どものように、夫の首筋から顎を鼻で擽っていく
(あら?・・この香り?石鹸???でもどうして・・・)
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