和田 2/5(月) 09:26:38 No.20070205092638 削除
私は、掴んでいたノブを離してその場から去りました。
ボーっとした頭とフラフラとした足取り、感情が消えたかのように一点を見続けている目は端から見れば奇異に映った事だろう。気が付いた時には馴染みのBARで酒を煽っていた。
どれだけ飲んでも消えないあの言葉…頭の中をコンピューターウイルスのように侵食して行く…涙が出た。この件が発覚して‥いや、親父の葬式の時以来の涙だった。
何故なんだ…僕が原因なのか?しかしどんなに考えても思い当たる事がない。確かに喧嘩なら何度もした事はあったがそれは浮気の原因になる様な事ではない些細な事ばかりだ。そんな事があった後はうやむやにしないで解決するまで二人でとことん話し合って 来た。そのおかげで大きな問題も争いもなく今まで幸せに過ごしてきたのだ。
だとしたら何だ?私は今まで浮気をした事も風俗に通った事もない。たまに酒の付き合いで夜遅くなる時もあったがそんな時は決まって妻に電話したし場所まで教えていたのだ。どんなに遅くても12時までには帰り妻の愚痴や子供達の事、その日1日の事を疲れも構わず聞いてあげた。それが帰る時間が(仕事柄)不定期な私に出来る精一杯の愛情表現のつもりだった。
私にはもはや原因がサッパリ解らなくなった。その事が余計にイライラしてしまい酒に手が伸びてしまう。
(まさか、SEXが原因じゃないだろうな)私は妻の最後に呟いた言葉を思い出しました。
『私を変えたの貴方でしょう』
現実にはその場から逃げ出す人なんてほとんどいないよ。
そこが最高に嘘っぽくなってしまうところなんだよね。