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北原夏美 四十路 初裏無修正

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投稿者:美鈴さんに捧げる 投稿日:2005/08/28(Sun) 05:59

妻の言い分は、明らかに理不尽です。それを承知で言っているのならば、私も引き下がる訳には行きません。自分の気持ちの中に、依然妻の存在は大きなものです。他の人に言わせれば、
『此処まで虚仮にされて、何を今更馬鹿な事を言っているのか。さっさと、別れてしまえ。』と思うでしょうし、私の身近にこの様な立場の人間がいれば、やはりそう言うでしょう。
その方が、先の事を考えると良いに決まっている事は分かります。
分かっていても、また、一時気持ちを整理しても、如何しても引き戻されてしまうのです。
しかし、そんな感傷的な事は、私の状況が許さなく成ってきています。気持ちに区切りを、付けなければ成らない、最後の時がやって来たのでしょう。
「よし、お互い始めから話をしよう。何でも答えてやるから、疑問が有るなら聞いてくれ。」
「あの女とは何時からなの?私が、浮気する前からよね?」
「いや、違う。新入社員の時に、仕事の面倒を見ていた。確かにその時、先輩に対する彼女の憧れも様なものは感じていた。だからって、何か有った訳では無い。良く思い出してくれないか?
単身赴任する迄、不審な行動が有ったか?職場で飲みに行って、遅くなる事はたまに有ったが、それは、本当にたまにだ。何か有ったら、もっと遅く帰って来る事が多かったと思わないか?
赴任してからも、休みの日は、お前がちょくちょく来ていたから、彼女が来ていたか如何かは、あの部屋の乱雑さを見れば分かると思う。疑いを持たれたのは、出張で来て料理を作ってくれたあの時
1度だけだろう?」
「じゃあ何故、痕跡を残す様な事をしたのよ?あれは、私への挑戦としか思えないわ。」
確かにそうですが、その事は、私に言われても如何しようも有りません。彼女の中に、妻の言う通り挑戦的な所は有ったのだと思いますが、その事は、あえて詳しくは聞いていません。
「彼女は、お前の浮気に気付いていたよ。その事に対する、忠告だと言っていたが、それ以上の事は分から無いな。」
「前から、貴方の事が好きだったからよ。」
「そうだったとして、俺に責任が有るか?人の気持ち迄如何しろと言うんだ?今話して来た事を考えてくれれば、昔からの関係で無い事が分かると思うけどな。」
妻は、私が以前から浮気等していない事は知っているのだと思います。
「俺からもも聞くぞ。大体の事は分かっているから、今迄の様に誤魔化すな。今更嘘を言ってもしょうが無いだろう?あの男とは何時からだ?お前が赴任先に来なくなる前からだよな?」
「・・・そうね。あの4ヶ月前位からかしら。でも、関係を持つ様に成ったのは、すぐにじゃ無いのよ。前に話した様に、二人で逢う様に成ってからも紳士的で何も無かった。それに、休みで部屋でごろごろしている貴方と、仕事をしている所だけを見ているあの人とでは、男としての魅力が違う様に思ってしまったのは事実よ。良く考えれば、貴方も職場では颯爽としているんでしょうにね。正直、馬鹿だったと思っているわ。ただあの時は、私も年を取って来て女としての、焦りのようなものも感じてた。女として扱ってもらえる最後の方に来ているからかしら。
だから嬉しかった。貴方に対する罪悪感よりも、あの人に惹かれてしまったの。」
「それで来なく成ったのか?」
「そうね・・・。あの時に限って言えば、貴方よりも、あの人を愛していると思ったわ。でも、不倫が奥さんにばれてしまい、別居に成ると聞いた時に、奥さんへの罪悪感よりも、貴方とそう成ってしまった時の恐怖感の方が強かった。」
「そう思ったなら、何故その時に止めなかった?」
「止めようとは思っていたわ。でも、散々身体の関係を持って来たから、そんなに簡単には行かなかったの。ごめんなさい。」
「今は如何なんだ?」
「何も思っていないわ。嫌いに成ったと言うのでは無いけれど、男として如何と思う事は無いの。正直に言うけれど、連絡は有るのよ。“こっちに来てくれないか”って。でも、断ったわ。
それでも電話して来るけれど、その気は無いもの。」
「向こうの家庭を壊しておいて、余りにも勝手過ぎないか?男よりも女の方が、ドライなのは分かるけれど、人間として許される事では無いと思う。奥さんから、何か言って来ていないのか?可也
恨んでいると思う。」
奥さんは、別居から、やがて離婚に成ってしまう原因が、妻である事を知っていました。
「ええ、何も言って来ない。本当に悪い事をしてしまった。貴方の言う通り、許される事では無いわね。如何すれば良いのかしら?」
「それは、自分で決める事だ。如何すれば、大人としてのけじめを付けられるのか、良く考えるべきだな。」
「随分と冷静なのね。もう、私には何も気持ちが無いと言う事なのかしら?」
「長い間暮らして来たんだから、何も思っていない事は無いさ。だけど、どんな夫婦も別れる時は、感傷的に成るものなんだろう。
しょうが無い事だと思っている。」
「・・・・ねえ、帰って来て。貴方を裏切った分の何倍も尽くすわ。お願い。」
「一時の感情に流されて、後悔したく無いんだ。戻らないのが後悔する事に成るのかも知れないが、今はそうは思え無い。」
「あの人を、愛しているの?」
「こんな時に、本当の恋愛を出来るほど、器用じゃ無い様だ。それでも、気持ちは動いている。」
「許せ無い。でも、如何しようも無いのね?馬鹿だった。こんな事に成るなら、あんな事するんじゃ無かった。」
「そうだな。この家で逢っていれば何時でも電話に出られるし、ばれない様に気を付けたつもりが、裏目に出てしまったしな。そう言う運命だったのかもな。俺に対する慰謝料は要らないぞ。
この家に住むのも良し、出るも良し、お金の事は蓄えも有るだろうから、何とかしてくれ。
娘の学費なんかは俺が払う。それから、離婚の理由は俺の浮気にしておけ。その方が、あいつのショックが少しは小さく成る様に思う。」
その後、妻は『今日だけは泊まって行って。』等と、すんなりと離婚届に判を押してはくれませんでしたが、最後には諦めた様で、何とか押してくれました。
判を押す時は、私の感情も複雑でした。妻との今までの幸せな時の事が蘇り、またやり直せないものかとも思いましたが、何とか思い留まりました。ただ、この時に彼女の事が思い浮ばなかったのは、妻の代役としか思っていないからなのでしょうか?そうならば、私も罪深い人間です。

妻と別れてからも、浮気の現場を見た時の事が蘇り苦しめますが、不思議と恨む事が出来ません。
考えて見れば、私は女と言うものをどれ程理解していたのでしょう。妻だけでは無く彼女に対しても自分の気持ちだけを押し付けて、相手の気持ちは何も思っていなかった事に気付きます。
ややもすると、自分中心に女性を動かし、満足してしまっていたのです。
当然の様に、反乱が起きる事等、考えてもいませんでした。
もっと私に、女性に対する尊敬の念が有れば、今回の事も防げたのかもしれません。
女は男に黙って従うもの、そんな今の時代にそぐわない自分勝手な誤解が、大きな代償を私に払わせる事に成ったのだと思っています。あくまでも私の考え方ですが。
それから彼女には、私の正直な気持ちを話し、妻への思いが完全に整理出来る迄は、逢わない事に成りました。それで別れる事に成ったとしても、仕方が無いことだと思います。彼女をこれ以上
傷付ける事は出来ません。
妻からは、今も時々連絡が有りますが、会う事は有りません。会ってしまうと自分の気持ちが如何成るか自信が無いからなのかもしれません。如何しても断ち切る事の出来無い部分が有ります。情け無い男だと思われるでしょうが、自分でも如何しようも有りません。
まだ暫らく、悶々とした日々を過すのでしょう。
この投稿を読んで下さった方々には、大して盛り上がりの無い話で申し訳無く思っています。
ただ、私が経験した事を、成るべく脚色無く書いた結果がこうな成りました事を、御理解頂ければと思います。

コメント

「誤解の代償」良いですね。
流れ、せりふ、全て素晴らしいです。
興奮やカタルシスには色々あると思いますが、
AVや商業小説には出来ない世界がここにあります。
こういう作品こそ「ネット背徳作品」として残っていくでしょう。

そしてこの作者様の名前。
もちろんリスペクトもあるでしょうが、エンディングを考えると、
これは「美鈴さんへの挑戦」でもあったと思います。
とても味わい深く素晴らしい作品でした。
感謝致します。

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