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北原夏美 四十路 初裏無修正

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[3519] インプリンティング 23 投稿者:迷人 投稿日:2005/08/24(Wed) 20:27

昼食に親子丼をとったのですが、妻は箸もつけません。
「どうした?食べろ。」
「典子さんに会うのだけは許して下さい。典子さんには会えないです。」
「子供みたいな事を言うな。離婚を前提の別居か何か知らないが、今はまだ夫婦だ。頭の一つも
下げられないのか?もういい、その話は後だ。折角俺が注文してやった物を食べない積もりか?」
妻は一口食べましたが、また箸を置いてしまいました。
「どうして食べない?奴の言う事は何でも聞いて、あんな卑猥なパンティーまで穿いていたおま
えが、俺の言う事は、おまえの身体を心配して言っている事すら聞こうとしない。本当なら、俺
は稲垣や奥さんに会いたくなければ会わなくても良い立場だ。それを一緒に居てやろうと思って
いるのに。もう分かった。俺は出掛けるから3人で話し合え。」
すると妻は口いっぱいに頬張り、お茶で流し込む事を繰り返し、時々吐きそうになっています。
「そうだ。残さず全て食べろ。」
空腹も辛いのですが、食欲も無いのに無理やり食べさせられるのも同じ位辛く、一種の拷問とも
とれます。
妻を言葉で虐めるだけで無く、身体への虐めを始めた自分が恐ろしくなりました。
夜になって稲垣から電話がかかり、既に途中まで来ていたのか、それから10分ほどで来た奥さ
んは、小柄で可愛い感じの方なのですが、ここに来る途中も泣いていたのか、目の回りの化粧が
落ちていて、折角の可愛い顔が台無しです。
私が妻の待つ座敷に案内すると、部屋の隅でうな垂れて正座している妻を見つけて駆け寄り、前
に座って妻の両肩を掴んで揺すり。
「どうして?どうして智子さんなの?どうして?」
「ごめんなさい。ごめんなさい。」
私があえて止めずにいると稲垣が。
「もう、そのぐらいにしておけ。悪いのは俺だ。」
別居の原因が奥さんの浮気では無いと確信していた私は、私と同じぐらい辛いで有ろう奥さんに
対しての、横柄な口の利き方に怒りを覚え。
「悪いのは俺だ?何を格好つけているんだ?まだ女房の気を引きたくて、いい男を演じているの
か?悪いのはおまえだと認めているのなら、おまえ一人で全ての責任を、今すぐにとってもらお
うじゃないか。」
「どの様に責任をとらせていただけば良いですか?」
「馬鹿か?責任のとり方も分からないで、偉そうに言うな。泥棒が捕まってから、泥棒は俺だと
威張っているのと何も変わらないぞ。」
「すみません。威張っていた訳では。」
「今日はどの様に責任をとって、どの様に償うのか考えて来ただろうな?」
「ご主人の気が済む様に、出来る限りの事は致しますので、どうかご提案頂けないでしょうか?」
「俺に言わせてもいいのか?出来る限りの事をしてくれるのか?それなら、おまえが何度も何度
も汚した女房の身体を、以前のきれいな身体に戻してくれ。俺の壊れた家庭を元に戻せ。俺は一
生この事を忘れずに、苦しんで生きなければならない。そんな人生は嫌だから、俺からこの記憶
を消してくれ。時間を単身赴任の前に戻してくれ。」
その時、稲垣の奥さんは声を出して泣き崩れ、妻は私の前に来て畳に額を擦り付けながら。
「あなた、ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。」
しかし私は、そんな妻を無視して。
「おい、何とか言えよ。おれの希望を出来る限り叶えてくれるのだろ?」
「出来ません。どれも出来ないです。どうか私に出来る事にして下さい。お願いします。」
「そうか。それなら現実に出来る事を頼もう。去勢してくれ。いや、全て取ってしまって、性転
換してくれ。そうすれば過去は消せなくても、今後は少し安心出来るかも知れない。どうせこの
様な事が平気で出来る2人だから、今も謝りながら腹の中では舌を出しているのだろ?これから
も目を盗んで会うのだろ?おまえが女になれば少しは安心出来る。これなら現実に出来る事だ。」
無理を言っているのは分かっていまが、これは私の本心なのです。

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