[3579] インプリンティング 50 投稿者:迷人 投稿日:2005/09/12(Mon) 23:58
私は寝室に行って寝転びましたが、これは妻への嫌がらせでは無くて、稲垣の物を散々触った手
で捏ねたかと思うと、身体が受け付けなかったのです。
ハンバーグだけでなくご飯でさえも、妻がその手でといだかと思うと、食べる事が出来ないので
す。
娘が食べ終わり、テレビを見ている間に寝室に来た妻は。
「すみませんでした。お気に召さなかったですか?」
「ああ。確かにハンバーグは好物だ。しかし今の様な精神状態の時に、あのような油っこい物が
喉を通ると思うのか?おまえは全然反省していない。もしかすると、もう終った事だと考えてい
ないか?俺の気持ちを少しでも考えれば、あんな物は作らないはずだ。俺はカップラーメンでも
食べるから、すぐに買って来い。」
「ごめんなさい。私の配慮が足りませんでした。カップラーメンなどと言わずに、何でもおっし
ゃって下さい。作り直します。」
「聞こえなかったのか?俺はラーメンを食べると言ったはずだ。俺には逆らわなかったのでは無
いのか?智子には『はい』以外の返事は無いはずだ。すぐに買って来い。」
その後も、妻の作った物を食べられる事は有りませんでした。
その間、稲垣への復讐も考えていましたが、私が思い付く事は違法な事ばかりです。
それでも良いと思っていても、娘や私の将来を考えると現実には出来ません。
私に出来る事は慰謝料を取る事と、精々行員同士の不倫なので銀行へ訴え、稲垣の社会的地位を
脅かすぐらいの事でした。
先に銀行へばらしたのでは、稲垣が困るだけの慰謝料は取れないと思い、銀行については何も触
れないで、ただ慰謝料のみ文章で請求すると、次の日に電話がかかり。
「この度は申し訳ない事を致しました。慰謝料もお支払いする覚悟でいますが、5千万は余りに
も法外で、高額すぎてお支払いできません。」
「法外?旦那のいる人妻を好きにしておいて、法外などという言葉がよく出てくるな。その事は
法律違反だから、慰謝料が発生するのだろ?おまえから法外などと言う言葉が出てくるとは思わ
なかった。おまえはいくら位を考えている?」
「・・・・はい・・・・・500万を・・・・・・。」
「俺も色々調べたが、確かに500万は良い額だ。でもそれで俺の気が晴れると思っているの
か?俺は今回の事で一生苦しむ。おまえは一度車を買い換えるのを我慢すれば終わりだろ?そん
な事で俺は許す気になんか成れない。俺の望みは金では無い。おまえも苦しむ事だ。よし、続き
は銀行で話をしよう。」
「銀行だけは許して下さい。必ずこちらから返事を致しますので、暫らく考えさせて下さい。」
そう言った稲垣からは、1週間を過ぎても返事が来ず、お金と職を天秤にかけているのだと思っ
ていましたが、私の知らぬ所で話は違った方向へ動いていました。
2週間経ち、私が痺れを切らして銀行へいつ乗り込もうと思っていた時、稲垣の代理人を名乗る
弁護士から電話が有り。
「慰謝料300万で示談にして頂けないですか?そちらが離婚されない場合、私は300万でも
高いと思いますが、示談をお願いするのですからこの金額にさせて頂きました。裁判をなされて
も、この金額より上は無いと思います。その上弁護士費用や裁判費用で、100万はかかる。結
局手元に残るのは200万がいいところです。お互いに無駄を省く為に、示談を了承して頂きた
い。」
「断る。俺はお金が目的では無い。」
「それでは何が目的ですか?今の日本では復讐は認められていない。稲垣さんから聞きましたが、
5千万など有り得ない。余りに常識からかけ離れていると、恐喝で訴える事も出来るかも知れな
い。どちらにしても、今返事を頂こうとは思っていないので、後日私と会って頂きたいのです。
今後の交渉は稲垣さんに直接せず、必ず私を通して下さい。」
この弁護士は仕事でこう言っていると分かっていても、この男まで憎くなります。
「分かりました。私も代理人を立てます。今後の話はあなたとお隣の犬とでお願いします。これ
では代理人ではなくて代理犬になってしまうから駄目ですか?」
「私を侮辱するおつもりですか?」
「いいえ別に。私はあなたを奴の代理人だと認めた覚えは無い。そんな事が通るのなら、私も代
理の者を勝手に決めても良いはずだ。私が奴と直接話しては駄目だと、裁判所から勧告でも出た
のか?人の家庭を壊しておいて、後は顔も出さずに知らん顔はさせない。」
これが法的に通る話かどうかは別でした。
しかしこの弁護士は私の怒りも多少は理解してくれ、後日稲垣と話す場を設ける事を約束してく
れました。
ただし、2人だけでは無く、この弁護士の立会いの下ですが。
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