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北原夏美 四十路 初裏無修正

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男とは? 7/14(月) 11:04:41 No.20080714110441 削除
それは驚愕すべき内容でした。

私の肝いりで開発した大容量メモリーの拡販のお願いするものです。多大の
開発費を投入したものであり、どうしても成功させたい。さもなければ私の
会社での立場も危うくなる。拡販して頂けるのなら私個人もどんな努力も
厭わない、妻を自由にしてもらっても差し支えない、そう言う内容でした。

勿論、私に書いた覚えはなく、又、そんな事を書く筈もありません。

「津岡が私のメールに添付して送ってきました」
「いつの事だ」

妻はその書類を添付してきたメールのコピーを見せてくれます。1月xx日、津岡
のメールが唐突に終っていたその2日後の日付になっています。

そのメールの内容は;

今までメールの遣り取りをしていたがどうしても会いたい、会って話がしたい。
黙っていたが、自分はご主人の大事な取引先の一社であり、製品の拡販に頑張って
きたが、自分の望みも叶えて欲しい。こんな事をするのは本意ではないが、ご主人
と交わした契約書のコピーを添付した。と言うものでした。

しばしその依頼書を見つめて考えていました。

「貴方は酷いと思いました。でも貴方の為になるのならと思い、私の
携帯アドレスを教えてしまいました」
「俺はこんなものを書く筈がない、どうしてその時俺に聞かなかった?」
「そんな事、貴方に聞けなかった」

妻は津岡の始めて会った時の事を思い出しています。妻が携帯のアドレスを
教えたその日に電話がかかって来ます。

「奥さん、有難う。今日会って頂けますね」
「いえ、お会いできません」
「依頼書を読んでくれてないんですか?それは困りましたね、
その件でお話があるのですがね」

妻は会わざるを得なかったのです。

「やはり綺麗な方だ。お会い出来て良かった」
「・・・・・」
「ダンス教室で一度お会いしています。覚えていますか?」
「いいえ」
「僕は貴方の名前を知っていました。出席されればネームプレートを
掛けますね、それで名前を覚えました」
「・・・・・」
「直接声を掛けようと思っても、中々近寄り難い雰囲気だった。
奥さんはホームページを紹介していた。それでそこにアクセス
したわけだ。しかし奥さんは固かった」
「・・・・」
「仕方がない、卑怯だと思ったが、ご主人との書類を送りました」

津岡のその丁寧な話口に妻も次第に耳を傾けるようになります。

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