男とは? 7/16(水) 12:46:29 No.20080716124629 削除
津岡を呼び出すことにします。私の携帯からだと、誰からのコールが解らず、
津岡は出ないかも知れません。妻の携帯を使います。数回のコールの後、津岡は
出ました。
「由里子か。どうした?熱があっても抱かれたいか?」
「その由里子の亭主だ。人の女房を呼び捨てにしやがって」
「えっ」
「えっじゃない。何故俺が電話したか解るな」
「いや、解らない」
「じゃ教えてやろう。お前の会社へ行く、お前も出て来い」
「今日は休みだ。会社は閉まっている」
「お前も役員の端くれだろう。何とでもなるだろう」
「いや、ならない」
「そうか、それならお前のマンションに行こう。奥さんも居て
丁度いい」
「俺のホテルでは駄目か?」
「駄目だな」
「解った。何とかする」
「書類棚の鍵も持ってくるんだ」
「解った」
会社で会うのは事の大きさを津岡に認識させる為もあります、それに津岡は
会社の契約を利用しています。これから私がどう言う行動にでるのか、
知らしめる必要があります。
「津岡と会ってくる。由里子、身の振り方を考えておくんだな」
津岡の会社の駐車場で待ち合わせ、会社の応接室に向います。津岡を生で見たのは
初めてです。人を威圧するような態度を感じさせます、それなりの押し出しの
良い風貌をしています。
いきなり本題に入ります。
「これを見ろ」
報告書を叩きつけます。
「いい年をした男が人の女房に手を出しやがって」
「北上さん、申し訳ない。出来心だ、魔が差してしまった。
しかし悪い事をしたとは思っていない」
「悪い事ではない?どう言う意味だ」
「最初は奥さんも渋々だった。それも最初の1、2回だ。
その後は奥さんも喜んでいた。俺の誘いを断ったこともない」
「お前がこの書類で脅していたからな」
悪い事ではない、これは私への挑戦でしょうか、私はそう受け取りました。
例の依頼書を見せますが、津岡から返ってきた言葉は以外なものでした。
「そんなものは只のオモチャだ。これで奥さんが引っかかるとは思っても
いなかった。ダンス教室で初めて奥さんを見た時に俺の理想の人だと
思った、なんとかしたいと思った。奥さんの入所控えを見ると、ご主人は
俺の取引先の役員だった。これは利用できると思った」
「これは立派な恐喝だ。私文書偽造の罪もあるぞ」
「軽はずみな事をしたと思っている。いつか、あんたが来ると思っていた。
許してくれ」
「許せ? 馬鹿も休み休みに言うんだな。それなりの制裁はする
つもりだ。今日はこれで帰るが覚悟しておくんだな」
帰ろうとする私に津岡は一つの包みを私に寄こします。
「奥さんがいやいやだったのかどうか、これで判断してくれ」
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