WA 11/17(月) 16:03:47 No.20081117160347 削除
山下常務は私の方を向いてびっくりされた様な顔をしていました。
『どうして、こんな現場に中国語を話せる女性が居るんだ?』
そんな顔をしていました。
その後、2時間程、中国の3人の方、劉さん、商さん、洪さんと山下常務、
営業さんと技術的なお話、商談の通訳を務めます。
「江村さんと言ったかな、今日は有難う。助かった、
君が居なければ、この商談もどうなっていたか解らなかった」
江村は私の旧姓です。
「いいえ、私は只、通訳のお手伝いをしただけです」
「申し訳ないが、今夜の会食に付き合ってくれないか?
何しろ言葉が解らない」
「お断り出来そうもありませんね、解りました。
ご一緒致します。只場所はどちらですか?」
「赤坂だが、君の住まいは?」
「この近くです。赤坂は少し辛いですわ」
結局、私の我侭を聞いて頂き、この近辺のターミナル駅の近くのステーキ
ハウスをご紹介しました。この町で一番のお店だと聞いていました。
「常務さん、このステーキハウスでいいですか?」
「解った、君に任せよう」
会食が終わり、劉さんが山下常務に話します。
「山下さん、貴方も人が悪い。こんなサプライズを用意しているなんて、
貴方は本当に商売人だ。美人の通訳に旨い飯、これでは取引を増やさざる
を得ない」
さすがにこの言葉は通訳し辛かったのですが、日常会話は山下常務も
お解りになった様です。
「いや、これはハプニングです」
「こんなハプニングならいつでもOKです。
日本へ来る回数を増やしたくなった」
山下常務は、営業さんと一緒に劉さん達を東京までお送りし、そのまま
お帰りになりました。
「江村さん、今日は本当に助かった。江村さんのお陰だ。
このお礼はさせて頂く」
山下常務はこの当時50才、浅黒く引き締まった顔に微笑みを浮べて言って
下さいました。
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