WA 11/18(火) 13:28:06 No.20081118132806 削除
その夜、アパートに帰ったのが10時頃、久しぶりに気持が高揚して
いました。主人に報告したら何と言うかしら、主人のアパートに電話
します。
数回掛けなおしました電話はコールしているだけです。携帯に電話を
して今日の話をします。
「かおる、どうした?こんな時間に携帯に電話をくれて」
「今日、こちらに中国からお客さんが来たの、通訳の方が来れなくて、
私がピンチヒッターをしたの」
「上手く行ったのか?」
「もちろん、喜んで帰られました」
「それは良かった、君も昔とった杵柄を又使えたと言う訳だ」
主人に褒められて嬉しかった。でも心にしまっていた事を思い出して
しまいます。アパートの電話に出てくれなかったのが切っ掛けでした。
まだお仕事で外で頑張っているんだと思っても、否応なしに私の心に
広がるのです。
主人と別れる半年ほど前の事です。
”いつも主人は自分の部屋で背広を脱いでお風呂に入ります。この日は
酔いすぎてその気力もないようです。服を脱がし、バスルームまで肩を
担ってあげました。脱がせた物を主人の部屋で片付けます。背広の
内ポケットに何か封筒のようなものがありました。いけないと思いながら
封筒の中を覗いてみます。メモが入っています、女の方の流れるような
文字でこう書かれていました。
『昨夜、嬉しかったです。私は貴方の女になれました。今日もお店に
来て頂いて有難う。メール読んで頂けましたでしょうか。真理子』
まさかと思いました、主人が浮気をしている、信じられません。主人の
携帯も背広の内ポケットに入っています。携帯を見ようか見まいか、
誘惑に駆られます。震える手で受信ボックスを開けました。真理子と
言う女性の着信メールを読みました。そこには彼女の今までの主人への
思い、昨夜の出来事が綴られていました。私はそのショックに打ち
のめされながらもそのメールを私の携帯に転送しました。もしやと
思い主人が出したメールも見てみます。只一言返信していました、
明日は店に行く
からと。
気を取り直して、リビングに行きました。コーヒーを飲んでも味が
しないのです。主人は仕事柄、クラブにはよく行きます。その殆どが
接待です。主人は女の方にもてる方だと思います。銀座のクラブに
足繁く通っていれば、男と女の浮いた話の一つや二つあっても、
それはそれで仕方が無いと思っていました。でも現実にそれが起きて
しまうと私の心が受け入れてくれないのです。年に数回のそれもごく
淡白な私達の行為、悔しくなってしまうのです。それに主人はもう私の
事を女だとは見てくれていない、そう言う思いが私の心を占めて
しまいます。このまま年をとったその時には私は主人に見放されて
しまうのでしょうか。女はそこまで考えてしまうのです。
茫然としてリビングのソファーに座っていますと、自然と涙が出てきます。
バスルームのドアーの開く音がします。私は急いで涙を拭いました。
「かおる、酔っ払って悪かったな。悪いが先に寝る」
酷く酔っているからでしょうか、私の悲しみに気がついてくれないの
です。私はリビングに一人取り残されてしまいました。”
東京と茨城に別れて住む時に主人は自分のアパートには来るなと言った
のです。ひょっとしたら真理子さんと言う方が主人のアパートに来るの
ではと思ってしまうのです。
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