WA 12/10(水) 16:28:52 No.20081210162852 削除
「山下には特別な感情を持っていなかったの言うのだな」
「はい」
「山下は結婚しようと思ってたと言っていた。結婚してくれとは
言われなかったのか?」
「言われました。でも私にはそんな気はありませんでした」
「じゃあ、俺と再婚してからも何故関係を続けた?」
「それは・・・・・」
「脅されていたのか?」
「いいえ、直接は・・・」
「どうした?」
「誘われて断った時には、あなたの前で、どちらかを選べって言われました」
「それを脅しと言うんだ。何故俺に話さなかった」
「言えませんでした、解ってしまうのが怖かった」
「しかし、それだけではないだろう?山下が離婚した時はどう思った」
「私のせいだと・・・」
「それで、また抱かれた訳か」
「いいえ、そんな訳では・・・」
妻は、山下の離婚が自分のせいかも知れないと、誘いをまた受けるように
なったのかも知れません。
「これを読め」
山下の身上調査を読ませます。
「離婚の原因の一つには山下の性癖があったらしい。
お前の事は多分奥さんも知らなかっただろう」
「・・・・・」
「お前は会社では結婚してからも江村と呼ばれていたのか?」
「いいえ、高島と呼ばれています。メールアドレスも
takashimaに変えて頂きました」
「そうか」
山下の言っていた事が嘘だとするならば、山下は私の前で芝居を打っていた
事になります。妻との不倫がばれれば、謝るどころか開き直り、嘘で固めて
妻と私の気持ちをも弄んでいたのです。
誘いを断る妻を、私と会うと言うことで脅し、関係を続けさせようと
していたのです。私の前でも結婚したことは知らなかったと言い張り
惚けようとしたのです。しかし離婚した山下は妻との結婚を考えていた
のかも知れません。
妻の山下専用の携帯を手に取り、山下をコールします。妻からの電話だと
思った山下は直ぐに出ます。
「どうしたこんな時間に、ご亭主は居ないのか?
俺に抱かれたくなったか?直ぐに来い。抱いてやる」
メールの事といい、今の言葉といい、妻はいつもこんな風にして出前を
取るように山下に呼び出されていたかと思うと、又新たな怒りが湧いて
きます。
「ふざけるな、大嘘つきが。お前の人生を終わらせてやる」
「えっ」
電話を切った私は、考えていた事を実行しようと思うのです。
「かおる、社長のメールアドレスは知っているか?」
「はい、でも何をするのですか?」
「あいつの行状を知らせてやる」
「それはお止めになったほうが・・・」
「山下を庇うのか?それにお前の事は言うつもりはない。
中国の事だけだ」
「違います。メールは貴方らしくありません」
「そうか、じゃあ会いに行こう。辞表を書いておけ」
「はい」
土曜日、日曜日と山下から電話がかかってきます。慰謝料を払うから
許してくれと、もう一度会ってくれ言うのです。私がどういう行動に
出るのか恐れているのでしょう。もともと慰謝料で済ませる気のない
私は無視します。
月曜日、社長に面談を申し込みます。山下が絡んでいる中国の件でと
言うと社長も、何か山下の行状に不信を持っていたらしく心良く応じて
くれます。山下は何かを感じたらしく会社を休んでいました。社長に山下
の中国での件を洗いざらい喋ります。成り行き上妻の事も話します。
社長は部下の起こした不始末は自分の責任だと、土下座して謝ってくれます。
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