WA 12/11(木) 11:47:02 No.20081211114702 削除
「社長、顔を上げて下さい」
「いや、本当に申し訳ない事をしました」
「山下だけが悪いんじゃないと思います。妻にも責任があります」
「いや、それにしてもあの山下が。そんな事をする人間だとは
思ってもいなかった。それに中国の件と言い、私に見る目がなかった。」
社長は山下に信頼を置いていて、ゆくゆくは会社を任そうと思っていた
そうです。
「奥さんを会社に置かせてもらう訳にはいかないだろうか?」
「状況が状況です、無理です」
「必要な人材です。会社の中では私以外には誰も知らない筈です」
「いや、やはり」
「非常勤でもいい。考えて欲しい」
考えてみますと言って会社を後にします。後味の悪いものが残ります、
何か胃にしこりが出来たようです。山下の居ないところで、行状を
喋ってしまった、後ろ指を指すようで胃がちくちくと痛みます。
妻の件はさて置いても、山下の会社での処分は、良くても降格、暫く
の謹慎、普通は馘首でしょう。まだ妻の気持ちに自信が持てないのです。
山下がどんな状況になっても、私が辛く当たれば妻は山下の下に逃げて
しまうかも知れないと弱気な自分が情けないのです。
地元に戻ったのが2時、片付けなければいけない仕事があります、事務所
に帰ります。仕事が終わり、また自分と妻の気持ちを考えています。
今は山下より私の方が優位な立場に居る筈だと、まだそんな事を考えて
います。寝取られ男の僻みなのでしょうか、寝取り男と自分を比較して
しまうのです。圧倒的な優位に立った上で妻をこれ程かと言うほど甚振って
やりたいと思ってしまうのです。妻の浮気が解ってまだそんなに時間は
経っていません、私の人格まで変わってしまった気がします。
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