弱い男 7/13(木) 16:50:50 No.20060713165050
結局妻も多少湿っていた程度で濡れているという程ではなく、私にとっては擦れて痛いだけに終わり、私の上から離れない妻を強引に横に降ろして寝室を出て行こうとすると、テーブルに置かれた妻のバッグの中にある携帯が鳴り出しました。
「携帯が鳴っているぞ」
しかし妻は誰からの電話か分かっているようで、俯いてしまって取りに行こうとはしないので、私がバッグから出して渡すと、妻は表示も見ないで大きな声を出しました。
「もう連絡して来ないで。私は何も話す事はありません」
妻はそう言って一方的に切りましたが、すぐにまた掛かって来たので今度は私が無言で耳に当てると、電話の主は一方的に話しています。
「もう一度考えて欲しい。このままだと一生旦那に責められながら暮らすのだぞ。そんな人生でいいのか?それよりも離婚して俺と楽しく暮らそう。自己破産して、きれいになって一から出直す。必ず美雪を幸せにすると約束する。何より俺となら身体の相性もぴったりだろ?美雪だって、旦那のチンポよりも気持ちいいと何度も言ってくれたじゃないか。どうした?聞いているのか?」
明らかに近藤の話は、妻と最後までいったと取れます。
私は真実を知りたくて、妻が実家にいると思って話し続ける近藤の話を、怒りを抑えて黙って聞いていました。
「電話を切らないという事は、本当は美雪もそうしたいのだろ?俺と初めて一つに成ったあの旅行の、ホテルでの楽しかった夜を思い出してくれ。美雪もあんなに喜んでくれて、朝まで何度も何度も求めてきたじゃないか。思い出してくれたか?それでもまだ迷っているのか?それなら俺が背中を押してやる。俺が旦那に全て話せば否が応にも離婚になる。それなら美雪も諦めが付くだろ」
「ふざけるな!」
「えっ?美雪じゃない?」
近藤が慌てて電話を切った後、私は怒りから妻の携帯を繋ぎ目の所から折ってしまいました。
妻は私の怒りようから全てを悟ったのか、泣きながら必死に何か言い訳をしていましたが私には聞こえません。
「美雪!」
私が頬を張ると妻はベッドに仰向けに倒れたので馬乗りになり、また右手を振り上げた時に家の電話が鳴りました。
「美雪は帰っていたんだな。てっきり実家にいると思っていたから驚いて切ってしまったが、よく考えれば、どの道話すつもりの内容だから慌てる事は無かった」
「何が言いたい!」
旅行の時に初めて妻を抱き、妻が家を出て泊まっていた時は夜に限らず、時間さえあればセックスをしていたと言います。
しかし近藤は、男をオマンコに向かい入れたかどうかでは私の怒りの度合いは可也違い、隠し通す事が出来れば最後には必ず許してくれるから、絶対に認めるなと妻に言ったそうです。
近藤も、最後の一線は超えなかったと私に思わせておけば、同じ怒りでも役所までは乗り込んで来ないと予想していたようです。
結局2人の理由は違っても、隠し通した方が得策だという事では一致していたのです。
「よくも余計な事をしてくれたな。お蔭で俺は役所に居辛くなった」
「自業自得だ!」
「それを言うならあんたも同じだ。あんな好き者の女と結婚したのだから、浮気されても自業自得だ。それにしても、あんたも情け無い男だな。他の男のチンポでヒーヒー言っていた女と、よく一緒に居られるものだ」
「大きなお世話だ」
「そうか?それは全てを知らないからだろ。何なら美雪が何をしていたのか詳しく教えてやろうか?慰謝料は払い終わって、これ以上は請求しないと一筆書いてもらったし、役所は辞めるから俺には知られて困る事は何も無くなった」
私は挑発に乗らずに、受話器を置こうと思いましたが出来ません。
それどころか、全神経を耳に集中させてしまっているのです。
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