桐 11/1(木) 21:57:10 No.20071101215710 削除
「パンティが見えそうなスカートをはきやがって。こんな格好をして外でも男を誘っているんだろう」
「そんなこと……してません」
江美子はなよなよと首を振る。
「私は隆一さんだけです。それに……絶対に下着は見えませんわ」
「嘘をつけ、こんなに短ければ、ちょっと屈むと丸見えじゃないか」
江美子は恥ずかしげに頬を染めて、隆一の方を意味ありげに見ている。訝しく思った隆一は江美子のスカートをまくり上げる。
例によってTバックのショーツに包まれていると思っていた江美子の双臀が完全に露出されたので、隆一は驚く。
「下着を着けていなかったのか」
江美子は含羞を浮かべながら無言でうなずく。
「……言ったでしょう? 絶対に見えないって」
隆一が江美子の秘裂に指を当てると、そこはすでに、愛液が太腿を伝って流れ出すほどにじっとりと潤っている。
「この淫乱女め」
江美子は夢を見ているような表情で再びうなずく。隆一は慌ただしくパジャマのズボンを降ろすと、江美子の逞しいまでに豊満な尻をしっかりと抱え込んだ。
その日の午後、隆一と江美子は横浜まで買い物に出掛けた。江美子は朝方見せた大胆さが信じられないような、人妻らしい清楚な装いをしている。会話の端々で、江美子の表情に時折憂いの色が走ることに隆一は気づく。
(今朝方自信たっぷりな態度で、まるで妖婦のように俺を誘っていた江美子とは別人のようだ)
隆一はそんな江美子の様子を見ながら、麻里のことを思い出す。
(麻里もこんな感じだった。夜は娼婦のように俺を翻弄するのだが、昼間、本来の麻里に戻ると不安そうな表情を浮かべていた。後で考えると、それは有川と関係していたからだと分かったのだが)
(いや……そうではない。麻里の場合、結婚した時からその傾向はあった。あれはどうしてなのか。自分の中の娼婦の性質を抑えることが出来なくて煩悶していたのか)
食事をしながら理穂のことなどを話していると、江美子は次第に落ち着き、笑顔も見えるようになってきたので隆一はようやく安心する。
(少女のような笑顔だ。今朝、俺を誘った時の色っぽい笑みとは大違いだな)
隆一は心の中で苦笑する。
(清楚さと淫らさが両立しているというのは男にとっては魅力的なものだ。麻里の場合、そのバランスがよくなかったのだ)
なぜだろう。今日はやけに別れた妻のことを思い出す。江美子と一緒にいながらこんな風では申し訳ない。
しかし、江美子の髪形だけでなく、その装いや化粧の仕方までがどことなく麻里に似て来ているような気がするのは思い過ごしだろうか。
スカイビルのレストランで食事を終えた二人は地下に降りる。地下の商店街はすっかりクリスマスの装いを見せている。二人が地下の連絡通路を歩いていると、ルミネの前辺りで隆一の携帯が鳴る。
「土曜まで仕事の電話か」
隆一はうんざりした声を出す。
「少し時間がかかりそうだ、ちょっとここで待っていてくれ」
隆一は江美子にそう告げると、駅の方へ戻る。電話は銀行の海外支店から与信の判断を求めて来たものである。原地の営業が今週中の実行をコミットしてしまったもので、審査担当に対してはいわば後付けの承認依頼である。そのこと自体はルール違反であるが、隆一の判断ではまだ余力のある先である。週明けに必要な書式をそろえることを条件に、隆一は承認する。
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