投稿者:Retaliation 投稿日:2006/04/30(Sun) 01:20
一人残された喫茶店で私は昔の事を思い出していました。
私と佐々木は些細な事から一度だけ口論になったことがあります、それは確か佐々木の知り合いが不倫している、と佐々木がボソッと漏らした事から始まりました。今から考えれば他人が何をしようが私には関係のない事なので怒っても仕方がなかったのですが、その時の私はそういった中途半端な事に対して何故だか嫌悪感を抱いてしまう性格でした。
私「よくそんな事が出来るな、お前は何とも思わないのか?」
佐々木「まぁ俺が口を出す事じゃないしな、それに結婚したって恋愛をしてもいいんじゃないのか?」
私「恋愛?馬鹿じゃないのか、何が恋愛だよ、不倫だぞ不倫、そんなに恋愛をしたいなら一生独身でいればいい話だろ」
佐々木「まぁ落ち着けよ、本当にお前は真面目な男だな」
私「真面目とかじゃなく、常識だろ」
佐々木「あぁそうだよ、常識だ、でも気持ちは自分でどうこう出来るものでもなし、仕方ないと思うけどな」
私「そりゃ気持ちはどうにも出来ないよ、でもそれを行動に移す必要はないし、行動に移さないようには出来るだろ、結局そういう人間は猿と対して変わらないよ」
みたいな感じの言い合いをした思い出があります、今の私を過去の私が見ればきっと殴りかかってきたでしょう、でも人間の根本は猿に毛が生えた程度の理性しかないのかもしれません、妻にしてもまさか不倫をするとは思ってもいませんでした、そして私まで、たかが不倫されど不倫、この不倫には当事者にしかわからない高揚感と都合の良い罪悪感を持つことで最高の快楽を得ることが出来る魔法の関係かもしれません、しかしその代償は想像以上に大きく、今まで築いてきた人間関係を一気に破壊するだけの力があります、だから不貞行為は一回でも離婚の事由になるのでしょう、想像力が豊かな人間なら不倫をする前にその「破壊力」と傷つく人間の事を想像して、けして不倫をする事はないでしょ、人間がもう少し想像力の豊かな人間ならばこんな愚かな行為をする事はないのかもしれません
そんな事を考えてるうちに笑いがこみ上げてきました、必死にこみ上げてくる笑いを抑えながら、私も喫茶店を後にしました。
「何をやってるんだ俺は」
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