Retaliation 10/1(日) 03:05:59 No.20061001030559 削除
床に座りこみ、うな倒れる男、その男に冷たい眼差しを向ける女、そしてその女を見つめる男、リビングに沈黙が流れました。
そしてその沈黙を破り言葉を発したのは理香でした。
理香「見てたんでしょ?私と〇〇さんのしてた事を、ならわかるでしょ?私が本当に感じてた事も、演技じゃないって事も」
吉崎「・・・」
理香「もうアナタとはこんな事は出来ないし、したくもないわ。触れられるのでさえ嫌だと思ってる。もう私達は終わったのよ。だから離婚しましょ」
ここでやっと私はこの状況が理解出来ました。理香が吉崎と離婚する為に私は利用されたのです。理香がこんな事をする女だとは思っていなかった私は驚きました。その間も理香は吉崎に何かを言っていましたがあまり覚えていません。しかし吉崎が体を震わせ何かを呟いていたのは覚えています。
その吉崎が突然起き上がり私の所に来ました。そして私の胸元を掴み自分の方へ引き寄せました。理香は私と吉崎を離そうと「やめてっ」と言いながら引き離そうとしていますが吉崎の力は強く私を離す事はありません。吉崎の顔は頬はこけ目の下には隈が出来、顔色もあまりよくありません。今にも吉崎は私を殴ろうとしたような緊迫した状況の中、私はある事を思い出していました。
実は私は吉崎の事を一度見に行った事がありました。あれは興信所の結果を聞き終え家に戻る前です。何故か私の足は吉崎の会社に向かっていました。会社の近くで吉崎が出てくるのを待ちました。私がそこの到着して30分程たった時、やっと写真に妻と一緒に写る男が現れました。第一印象で吉崎に対して感じた事は、仕事はバリバリこなすやり手の男、そしてモテそうな大人の男と感じました。「あぁ負けた」と純粋に思いました。
しかし今の吉崎にはその面影すらありません。可哀想とすら同情してしまいそうです。
吉崎「何故ここまでする。俺を馬鹿にして満足かっ・・・壊しやがって、俺の全てを奪いやがってっ」
何を言ってるんだこの男は、そう思うと何故か面白く感じられます。気付いた時には吉崎の手首を掴み自分から引き離していました。
私「壊した?俺が?壊したのはお前自身だろ。自分で壊したんじゃないか、そうだろ?お前と洋子が不倫などしなきゃ俺と理香がこんな関係になる事はなかった。お前にわかるか?信頼しきった相手に裏切られたと知った時のショックの大きさが、今お前が感じている事の非ではないぞ。全てが壊されるんだ、昨日まで一緒に笑っていた事が全て嘘に感じるほどにな」
近くにあった水を一気に飲み干し、乾いた喉を潤すとまた私は話し始めていました。
「それにお前は以前も不倫をしていたらしいな。理香から聞いたよ。それに懲りずまた不倫をした。そして今こうなった。どうだ?それでも俺が壊したのか?お前は何も悪くないのか?まさかお前も寝取った人妻の亭主にここまでされるとは思ってなかったみたいだな。どうだ?少しは俺や理香の気持がわかったか?」
興奮しきった私はまだまだ吉崎に言いたい事がありました。
しかし異常な喉の渇きを感じ理香に頼み飲みの物を頼みました。まるで誰が家人かわからない状態です。
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