Retaliation 12/19(火) 01:37:56 No.20061219013756 削除
「ほら、お父さんがお仕事に行くわよ。亮もお母さんと一緒にお見送りしましょうね」
「それじゃ行ってくるよ。そうそう昨日も言ったけど今日は少し仕事で帰りが遅く
なりそうだから」
「はい、わかってます」
「洋子も子育てで大変なんだから無理して僕を待たないで先に休んでていいよ」
「いえ、私は大丈夫だから気にしないで、それよりもお仕事頑張ってね」
「あぁ、じゃ頑張って出来るだけ早く帰るようにするよ。亮の事を宜しく。それじゃ行っ
てきます」
「気をつけて、いってらっしゃい」
玄関のドアを開け会社に向かいます。「仕返し」が終わり2年が経ちました。あれから私
と洋子の間には子が生まれ、名前は「亮」と名付けました。勿論、正真正銘私の子供で
す。
妻は亮が産まれた事で仕事を辞め、今は専業主婦をしています。
2年前の出来事を知らない友人や知人からは本当に仲が良い夫婦と言われています。
まさか洋子が不倫をしたなんて誰も信じる事はないでしょう。そしてその不倫があの
奇妙な関係を生み出した事も。あの出来事を知っているのは私、洋子、理香、吉崎
そして佐々木と佐々木の彼女の真紀さんだけです。
時々、洋子とのセックスの途中に「まさかママが不倫してたなんて知ったら亮は何て
思うかな?」と冗談で言うと、締め付けがまし「ごめんなさい」と泣き叫びます。
私自身もフラッシュバックもなく以前のような妻との関係に戻りつつあります。
私は自分の意志が強いと思っていました。しかし自分が安全な立場にいる時に誘惑を
仕掛けられると簡単に堕ちてしまいました。誰でも過ちは犯すでしょう。しかしその
過ちをどう償うか、またどう償わせるかが重要なのだと気付きました。
もしあの仕返しが失敗していれば私と洋子も、理香達と同じで離婚していたかも
しれません。勿論亮も産まれていないでしょう。
しかし私の計算は狂いました。まさかあそこまで理香に溺れるとは思っていませんでした。
結局私も洋子や吉崎と同じで意思が弱い人間でした。いや、もしかすると洋子や吉崎以上に意志が弱い人間なのかもしれません。もし少しでもタイミングがずれていれば妻よりも
先に私が不倫をしていたかもしれません。
退社時間になりちょうど佐々木と同じエレベーターに乗り込みました。佐々木は相変わらず独身ですが、真紀さんとはまだ付き合ってるいるようです。
佐々木「何だ?今日も真っ直ぐ家に帰るのか?」
私「あぁ、子供もいるからな」
佐々木「本当に前みたいに戻ったな。まぁそっちの方がお前らしいけど」
私「何だよそれ、褒めてるのか?」
佐々木「そうだよ。でもたまには俺とも付き合えよ」
私「あぁ、今度誘ってくれよ」
そんな会話を佐々木とし会社を後にしました。
「今日は何て?」
「仕事で」
「アナタも随分変わったわね。悪い人・・・」
「君もじゃないか」
「こんな女は嫌い?私はアナタの事を今も変わらずに愛してるわ。アナタは?」
「勿論、俺も愛してるよ。理香」
次は私が妻の立場になるかもしれません・・・
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