樹氷 投稿日:2008/01/10 (木) 17:14
山田君の事務所を後にした私は、マンションに戻った。
妻は、スポーツクラブへ行っている筈だ。
玄関を開けて、リビングを抜けて衣装部屋に行き、ボンデージを置いてあるクロゼットを開けた。クロゼットの中からは、微かな淫臭が漂って来る。
あの夜にボンデージに染み付いた残り香だ。
私は、ボンデージが納められている箱を取り出した。
箱を開けると[ファッ]と、牝のフェロモン臭が広がった。
綺麗に折り畳まれているボンデージを広げた。
裏返すと、そこには[妻を牝へと導いた巨大なディルド]が、次の出番を待つように雄々しく起立していた。
それはまるで、10年の歳月、妻に悦びを与える事の出来なかった私を非難しているようにも思えた。
私は、山田君から教えられた通りにディルドを、ボンデージから外した。
[ギュルッ…ギュルッ…]苦しげにも聞こえる、鈍く、擦れた音を立てて、外されて転がされたディルドは、行き場を失い、これから私の身に起こる事を予見して、嘲笑っているようにも見えた。
ディルドを外されたボンデージのクロッチ部分には、ハッキリと牝の印が染み付いていた。
それは、妻が[性に貪欲な牝である事を選んだ、刻印]のようでもあった。
私は西島氏から戴いた【巨根竿師の型を取ったディルド】を、ボンデージのクロッチ部分の台座に嵌め込んだ…
それは音も立てずに、吸い込まれるように装着された。余りに簡単に嵌ったので、すぐ外れてしまうので無いかと、力任せに抜こうとしたが、[ビクとも]しなかった。
それは、最初から対で作られたような強固さだった…
ボンデージに装着された【巨根竿師のディルド】は、妻の体液の染み付いたボンデージから、牝のエキスを吸い上げて、自身の血肉としたように、艶やかになってきたように見える。
そしてボンデージは【巨根竿師のディルド】の持つ絶対的な牡の能力に平伏すように、艶めかしさを増していた。
私は悪寒にも似た物を背筋に感じ、同時に強い胸騒ぎも感じていた。
この時に感じた[とてつも無い嫌な予感]を信じて、この新たな【魔性のボンデージ】を処分していれば、この先に起こる事で、苦しむ事も無かったのだ…
しかし私は胸騒ぎを、押し込めて、見えない力に後押しされるように、次の作業に入った。
ディルドの根元に例のインディオに伝わる媚薬を丁寧に塗り込め、クリトリスの当たる部分にも、同じように塗り込めた。
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