樹氷 投稿日:2008/01/16 (水) 00:45
蕎麦屋に入り、待ち合わせだと告げると、奥の座敷に案内された。
座敷には、相変わらず全身からエネルギッシュなオーラを放ち、その人は居た。
「おう!!こっちや、こっち。聞いたでぇ‥エライ事やったみたいやなぁ‥」
私は、会釈をし、西島氏に促されるままに、西島氏の向かい側に腰を降ろした。
私は当惑を隠さないまま「あのボンデージも、かなりのもんやけど、例の《伝説の竿師のディルド》と、《南米のインディオ御用達の媚薬》効果あり過ぎでしたわぁ‥別人になってもうた‥‥」
西島氏は、私の話を血色のツヤやかな額を光らせ、目を細めながら聞いていた。
私は西島氏に事のあらましを、身振り手振りで説明を続け‥豹変した妻が、ディルドの型を起こした巨根竿師に会いたがっている旨を話した。
「効果覿面やないかぃ‥アンタな、慌てるのは分かるデ‥けど何の為に‥何を望んで、あのボンデージを着せたんや?
ただのオーダーしたボンデージやない‥着ている本人がボンデージに犯され‥支配され続けるようなモンなのは最初から分かっとった筈や‥
ディルドにしても、最初のディルドでも、かなりえげつないモンや‥けど、竿師の持ちモンを型取ったディルドをアンタかて見てる訳や!奥さんが、それをな、ヴァギナに挿入しないと着れんボンデージやで‥ハマれば、奥さんの[牝の本能]に火が着く事かて薄々分かってたやろ?
失礼やが、アンタの願望やったんやないかい?
アンタ自身では、引き出す事が出来ん部分を見たかったんや無いのかい?」
私は、西島氏の熱のこもった口調をうなだれながら聞いた。
「だからや‥だからワシも、ディルドにしろ、媚薬にしろ、奥さんの女としての引き出しを開ける小道具として、良かれと思って提供した訳やで‥」
「イレギュラーが、想像を越えましたワ‥
まさか‥あそこまで‥」
私の苦虫を潰した表情を困った奴やなぁ‥と言った感じで西島氏は
「ディルドの虜だったり、ボンデージの虜だったりならアンタも我慢も出来た‥多少‥限度を越えてもアンタの刺激に‥欲望や願望が満たされた訳やろ? けど‥ディルドを恋され‥実物に‥ワシの友人‥巨根竿師の生身の‥本物に恋されたら、かなわんっちゅう事やな‥」
私は力無く頷いた‥
西島氏は無言で腕を組み、私を見詰めていた。
沈黙が続き‥やがて西島氏が口を開いた。
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