樹氷 投稿日:2008/01/16 (水) 16:48
三日後に西島氏から連絡が入った。
「例の件、明日どうやろか?
土曜日やし、アンタも休みやろ?」
「明日?大丈夫、思いますけど、何処で?何時頃ですやろ?」
私は意外な程に、胸がドキドキして、喉がカラカラになっていた。
「アンタ見ていたいんやろ? 奥さんに分からんように?」
「そりゃそうなんやけど‥場所なぁ‥」
西島氏は
「アンタの家でエエんやないかい?
都合エエやろ?」
「えぇっ?ウチでっか?…ウチで… ですか?
《竿師の方が、こんにちはぁ~って》、ですかいな?ムリがあるんとちゃいますか?ウチ使うのはエエですけど、ワシは妻に分からんと見たいんですよって…」
「アンタは、出かけたふりして隠れとったらエェねん? 」
「しかし、あらかじめ妻に、今日、竿師の方来るから準備しといてや、とは言えんでしょ?」
「う~ん…そやなぁ…どないしよか?何かエェ、アイディア無いのかいな?アンタの…否、アンタの嫁の希望なんやから‥」
「困りましたなぁ‥あっ!! こんなんどうでっか?今ウチのリビングのクロスがシワ寄ってしもうて、貼り直さなアカン言うてたんですワ!
業者さんのフリしてもろうて‥後は竿師ハンの腕次第で‥アカンやろか?」
「そやな‥嫁ハン騒いだら、アンタも隠れて居る訳やし、大事にはならんか‥ホナ、それで行こか?後でヤツに電話で詳しい打ち合わせして、本決まりになったら、また電話入れるさかい…ホナ‥」
私は明日を思い、異様な興奮の中に居た。
とんとん拍子に進む、[妻の浮気への流れ]、一体どうなってしまうのか?
明日を思い、今夜は眠れそうに無い。
それにしても、大丈夫なのだろうか‥
何か大切な物が壊れ、失ってしまう‥そんな予感が、私の胸の苦しさを加速させていた。
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