樹氷 投稿日:2008/01/18 (金) 20:30
[魔性のボンデージ]を身に着けた妻
ボンデージは、すでに妻の、由香利の皮膚のようだった‥
そう‥そうなのだ‥
あのディルド‥藤田の分身も、今では妻の体の一部分なのだ‥
私はボンデージ姿の妻を見て改めて深い感慨を覚えた。
徐々に遠くなる景色‥
届かなくなる物‥
妻は妖艶に、体をくねらせ、私を一瞥し、寝室に閉じこもってしまった。
私は、リビングで、この世界に私しか存在していないような寂しさを感じ‥張り裂けそうな胸の苦しさを覚えた‥
呆然として‥何一つ手に付かない。
テーブルの上に置いた、私の携帯が音も立てずに点滅を繰り返し、着信を告げている‥
サブウィンドゥには、発信者[西島]の名前。
私は点滅する携帯を、いつまでも見つめていた…
コメント
コメントの投稿
トラックバック
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)