樹氷 投稿日:2008/01/21 (月) 21:18
以前ならば、時計ばかりを気にして、時の経つ遅さに苛立ち、重苦しい胸の内に耐えかねていた私だが、今夜は何故か、ゆとりが感じられ、妻の帰宅を待つ間に飲んだ缶ビール一本で、うたた寝をしてしまっていた。
浅い眠りから覚め、時計を見ると23時40分を指していた。
[お楽しみやな…まぁエェわ‥]
妻への愛情が薄らいだのだろうか?
あるいは、諦めの境地になってしまったのだろうか?
考えてみれば、ボイスレコーダーで録音した、妻の狂態、藤田とのセックス現場で見た私の知らない妻の姿。
今夜の事より余程インパクトがあるように思えるのだ。
しかし結果として、私のこれらの見解は[大ハズレ]であった。
今夜の妻こそ、仕上がった牝だったのである。
日付が日曜日に変わる頃に、インターホンが鳴った。
[ピンポーン‥ピンポーン‥ピンポーン‥ ]
受話器を取ると
「ウチやぁ‥ただいまぁ‥終わったでぇ…」
気怠い妻の声
しばらくして[ガチャガチャ] 玄関のドアが開いた。
リビングに入って来た妻は、雰囲気が違っていた。
「何や、エラいゴージャスなヘアスタイルにしたやんか?
化粧も、家出た時とちゃうな?」
妻は、髪を明るい栗色に染め、パーマをかけて、髪を巻いていた。
化粧も入念で、時間をかけたイメージがあった。
「フゥ… そうなんや、美容院の先生がな、【似合いますよ】って、髪やってくれた後に、着付けの方のメイクさん呼んでくれて遊ばれてしもうた‥変やろか? 」
髪を染め上げ、パーマを当て、髪を巻いたヘアースタイルも、派手目に、見えるメイクも、妻の顔立ちのせいなのか?
美容院のメイクさんのテクニックが凄いのか?
下品では無く、驚く程に似合っていた。
「似合うで。ちょっとビックリやな…」
「ウチも驚いたねん、【あれって?】感じやろ?
美容院の先生まで[何か、あったかぁ?綺麗になったやん]ってな。
それで、いつもと違うようにイジられてしもうたんよ… 似合うなら良かったわぁ。」
妻は私の言葉に素直に喜び、上着を脱いだ。
「それで、どないやったんや? 」
妻は熱を帯びた瞳で
「凄かったで。 まだアソコ、グチョグチョや…腰もフラフラやわぁ…
バッチリ撮って来たしな」
イヤラしい目つきを私に向けて、バックの中から[ガサガサ]と、ビデオカメラとデジカメを取り出し、テーブルの上に置いた。
コメント
コメントの投稿
トラックバック
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)