投稿者:覆面 投稿日:2002/07/03(Wed) 23:51
日曜日の昼下がり、燦燦と日の差し込むリビングのソファーでの昼寝を、一本の電話が終了させた。7月も下旬の夏真っ只中で、窓を全開にして扇風機を回していても、全身には汗が噴き出していた。
鳴り続ける電話音をうとうとと聞きながら今日子が外出していたのを思い出す。1才になる健司をつれて、近くに住む私の両親の家に遊びに行っているのだ。この家に住み始めて半年、それまでは東京にいた。私が東京の大学に入って、東京で就職し、結婚、出産と東京で行った。
親の切なる願いに負けるようにして、故郷に舞い戻ってきたのだ。子供のころは、この何もない町が恥ずかしかった。しかし、30歳を過ぎて、家族も持った自分にとって、この町は過ごしやすかった。父親の口添えで、この町ではそこそこの会社へ転職し、実家の近くの家を買った。同居という話も出たが、まだしばらくはこの三人で居たかった。ゆくゆくは両親がこの家に入り込んでくることもあるだろうが、まだまだ先のことであろう。ローンを背負いはしたが、今の生活が続いていけば、それほど重荷ではない、そんな毎日であった。
受話器から聞こえてきた声に目が覚め、そして、不愉快な気持ちになった。
「奥さん、お願いできますかねぇ・・・・」
高橋という男の声だった。私は昨日のことを思い出していた。
「町内の子ども会の寄り合いに出席してほしい」
子ども会会長と名乗る男から電話があったのは、昨日の昼前、土曜日の休日を三人で過ごしていた時であった。
”やっぱりきたか・・・”そう思った。
都会と違い、田舎ではこういうものがついてくる。予想はしていたが、実際、呼び出されるとやはり、うっとうしかった。嫌がる私とは対照的に、人懐っこい今日子は、平然とした様子だった。
翌日の日曜日に、私と今日子は健司を連れて近くの集会所に足を運んだ。
「わざわざすみませんねぇ・・・」
そう言って、会長と名乗った男が、この高橋であった。
木造平屋の古ぼけた集会所で、普段は月に一、二度近所の子供たちを対象に、習字を教えているということであった。
中に入ってみると、そこにいたのは、十人程度の老人の群れであった。私たちと同年代の人間はこの高橋以外、なかった。
そして、その老人たちが役員さん達で、その上に立つ会長さんがこの高橋という事だった。
「どうか役員になってもらえませんか」
ボロい習字教室用の長机をみんなで囲みながら高橋がきりだした。
「なかなか若い人たちはなってくれないんだよ」
老人たちの言葉が私と今日子にあびせられる。
「いやぁ、ちょっと・・・」
そう言いながら私は今日子のほうを見た。
その時、今日子は部屋の隅にあったポットと湯飲みをいそがしくあやつり、みんなにお茶をいれていた。今日子らしい気配りだ。
元々、人懐っこく、明るく、人に当てにされるといやと言えない性格の今日子ならこの厄介ごとを引き受けてしまうのではないか・・・そう思って見ていると、
「役員ですか、いいですよっ、どうぞ」
そう言って、高橋の前に湯飲みを置いた。
会ったばかりの男に、かいがいしくお茶を出す今日子の姿に、私はちょっと腹を立て、今日子が気付くはずもない嫉妬を起こしていた。
それからの一時間ほど、私と健司は退屈な時間をすごした。ブラブラと集会所の中を健司をあやしながら歩き回った。役員の老人たちは長机を挟んで世間話を繰り返している。その一番端で、今日子は高橋と向かい合っていた。
「とりあえず、奥さんには子供習字教室の手伝いをしてほしいんです。実は私が教えているんですけどね。とりあえず、その打ち合わせをしたいので大山さん、ちょっと奥さん借ります」
そう言って二人は話し始めた。はじめのうちは健司をあやして遊んでいたのだが、長くも続かず、まだ終わらないかな・・・と遠目に二人を見て、私は高橋の視線に気が付いた。
ぺらぺらと言葉を繰り出す口とは対照的に高橋の目は、今日子の胸元に釘付けになっていたのだ。黄色いノースリーブのポロシャツ風の服から今日子の乳が遠慮なく突き出ている。あきらかに高橋の目は今日子のそれに釘付けになっていた。
今日子はその視線に気付く様子もなく、高橋の繰り出す言葉に「はいっ、あっ、はいっ」と元気よく返事をしている。
”きょっ、今日子が高橋に視姦されている!”
申し訳程度にクーラーのきいているこの中で、一気に汗が噴き出してきていた。
“今日子は自分が視姦されている事に気付いていないのか?”
その答えは今日子の様子でわかった。自分が性的興奮の対象となっていることなどわかるような敏感な性格ではない。それほどおっとりと、心優しく、そういうことに関しては、無垢な女だった。
私は今日子が汚されているという腹立たしい気分になって”もう連れて帰ろう”そう決心して二人に歩みかかろうとしたとき、高橋が動いた。
湯飲みに残っていたお茶を一気に飲み干し、そのまま、湯飲みを「タンッ」と大き目の音が鳴るくらいに机に置いたのであった。世間話をしていた老人たちが一瞬振り向き、そしてすぐに話を再開させる。
目の前にいた今日子が一瞬、びっくりしたようにビクッっとしたが、その後、「あっ、はいっ」と笑顔で大きく返事をし、湯飲みを持って隅においてあるポットの元に歩き出した。
今日子が歩き出すとすぐに、高橋の視線が今日子の後姿にそそがれた。黄色いノースリーブのポロシャツの下で、白いホットパンツに包まれたはちきれんばかりの尻肉が、歩くたびにムチムチと音をたてて揺れ動く。
”きょっ、今日子がいやらしい格好をしている・・・”
なぜか私はその時初めて、そう思った。家を出て、ここに来るまではそんな事は思いもしてなかったのだが、普通の奥さんの普通の格好、ポロシャツにホットパンツ・・・それが高橋という男の目を通して見てみると、逆にセクシーな衣装よりもひどく、いやらしい格好であった。
今日子は小柄な女だ。身長は150センチくらいしかない。かくいう私も小柄で、165センチくらいだ。だから私と今日子はいつも「健司にはいっぱいカルシウムをとらせて大きくしよう」といっていた。
そして、今日子は特別に美人ということはない。人並みの顔だ。ただ、子供のような童顔で雪のようなもち肌の為、実際の年齢、31才よりも5つくらい若く見られる。本当にごく普通の奥さんだった。それなのに、今、私の目に映る私の妻は、はしたなかった。
”大山さんの奥さんはみんなのオナペット・・・身長150センチのスリーサイズは・・・バスト90センチ・・・ウエスト65センチ・・・ヒップは・・・95センチのムチムチ奥さんだ、ヒヒッ、子供のようなかわいい顔して、高橋のオナペットにされているのも知らないでニコニコと視姦されてるぞ・・・”
主人の私が、なぜだか知らないが、他人事のように、そう心の中でつぶやいていた。そして、私はその場から動けなくなってしまったのだ。
高橋の視姦は今日子が対面に戻ってくるまでそのヒップに釘付けであった。そして、打ち合わせが終わるまで今日子は高橋に目でファックされ続けたのだ・・・
その夜、私の今日子への性欲は、過去最高のものだった。いやらしく、そのムチムチな乳と尻肉をファックしてみたい気持ちで一杯だった。しかし、元々、私達の夜の営みのスケールはごく標準で、ノーマルなものであった為、私の姓に対するスタイルを変えることを今日子に見られることへの恥ずかしさから、結局、いつも通りのコースを辿った。
“ムチムチ奥さん!町中のみんなにオナペットにされてるよ、奥さんが商店街を歩くたびに店のおっさん達が振り返り、そのはしたない95センチのヒップを見て「なめやがってあの尻、ピチピチのホットパンツはいて、完全に挑発してやがる。大山のとこの息子の巨尻妻だぜ!子供みたいな顔して乳と尻ブルンブルンさせて歩いてやがる!」って言ってたぞ!この間も八百屋の親父が、奥さんが前かがみになった瞬間、強烈に突き出た巨尻を後ろからこっそり写真に収めていたぜ!”
心の中でそう叫びながら、三こすり半で射精した自分の不甲斐なさを恨みながら、昨日は眠った。
「あの、奥さんはー?」
高橋の催促に私は現実に引き戻された。それと同時に嫉妬心と、昨日の集会所での異様な興奮が蘇ってくる。
「あのっ、どちら様でしょうか?」
自分には分かりきった返事をしていた。
「高橋ですけど」
なぜか昨日のような低い物腰ではなく、邪魔くさそうな雰囲気が高橋の声にはあった。
気を遣る ごめんなさい ごめんなさい
あなた許して 許して ~たのですか