投稿者:覆面 投稿日:2002/07/04(Thu) 01:17
「あっ、今日子は今、外出していますが・・・」
「帰りは何時になります?」
「いや、ちょっと・・・遅くなると思いますけど・・・」
「困ったな、もう」
怒っているのが分かるような声で、高橋がため息をもらした。
「あの、どういったご用件でしょうか?」
なぜか私のほうが下手になっている。
「いやっ、ちょっと早急に打ち合わせておかないとならない事がありましてねぇ、とにかく、明日そちらにお邪魔すると言っておいて下さい」
私の中で、言い様のない気持ちが一気に持ち上がってきた。
「えっ、明日ですか?月曜日ですか?」
「そうです。時間がないもので」
「あっ、そうですか・・・それで何時ごろ・・・」
「わかりません。私も仕事があるのでその合間にササッと行って、ササッと終わらせるつもりです」
「あぁ・・・はい、分かりました。伝えます」
「はい」
その一言でガチャリと電話は切れていた。
体のラインに沿って張り付いている真っ白なTシャツに、これまた今にも尻部分が張り裂けそうなピンクの膝上5センチのタイトスカート。
それが月曜日の今日子の服装であった。朝起きてその姿を見た時、私は腹が立ち、異様な興奮で心臓がバクバクし始めた。
それは朝食を食べる時も止むことは無かった。この服装の今日子を今まで何度も見たことがある。しかし、今までと今日とでは感じ方がまったく異なっていた。
“昨日、高橋が来るって言ってあるのに、なんというスケベな格好なんだ!私が戻ってくるまでに奴が上がり込んで来るかもしれないんだぞ!そんな事だから、近所の連中にオナペットにされるんだよ!大山のとこの息子の恥知らず巨尻嫁ってオナニーされるんだ!”
子供を抱いてあやしている後姿を見ながら、心の中で私は今日子の事を罵り続けた。
“あぁ・・・歩くたびに95センチの恥知らずヒップがムチッ、ムチッと鳴いているぅ!ぶっ、ブラジャーの線がムチムチの背肉に押されて・・・スケスケじゃないか!
このっ、スケベッ!スケベ人妻!!”
私は倒錯の世界をさまよい続けた。
「お父さん?今日はゆっくりしているのねぇ?」
現実に帰り、時計を見ると出掛ける時間を過ぎていた。
「あぁ・・・行ってくる」
ふらふらとリビングを出て玄関に出た。
「ちょっと、大丈夫?あなたフラフラしてるわよ~」
ニコニコ笑う今日子の顔を見て、私の口から言葉が出そうになった。
“ちょっと、その服装はまずいんじゃないか?今日、高橋さんが来るんだから・・・もうちょっと・・・”
やっぱり言っとこう・・・そう思った途端、玄関の呼び出し鈴がけたたましい音を立てた。
「ピンポーン!ピンポーン!!」
「は~いっ、ちょっとあなた、玄関開けてぇ」
私の体全体から汗が一気に噴き出してきた。
“もしや・・・もう、来たのか?”
次の瞬間、外からドアのノブがガチャガチャと回され、引かれたドアがドンドンッと音を立てた。
呆然と立ち尽くす私の背に今日子の声が届く。
「あなた?開けあげてっ」
「あっ、あぁ・・・」
力なく鍵を外し、ドアを押しやるとそこにはやっぱり、高橋が怒った顔で立っていた。
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