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北原夏美 四十路 初裏無修正

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悪夢 4

投稿者:覆面 投稿日:2002/07/05(Fri) 19:57

“明らかに、おかしいじゃないか!”
私はリビングに入った。
手が震えている。怖かった。何があったのだ?何かがあったのだ、今日子と高橋の間で。
玄関がチェーンロックされた私の家の中で、居るなんて思ってもみなかった高橋と、チャイムを押してもなかなか出てこなかった今日子に、あたふたと狼狽したまま、出てきた今日子・・・
“今日子!私の今日子!いつも私の為にガンバッてくれている今日子が!かっ、可哀想に・・・何があったんだよ、今日子!”
とにかく問いただすしかない。今日子が泣き出してしまうかもしれないが、守れるのは私だけだ。
“ごめんよ、今日子・・・私がどうかしていたんだ。高橋の企みに気付いていたのに、ほったらかしにして!今日子はいつもの、今日子だったじゃないか!恥知らずなんかじゃない!恥知らずな事なんかした事ない!スケベなんかじゃない!スケベなことなんか言った事もない!只の、普通の主婦だったのに・・・”

今日子がリビングに入ってきた。
「あなた・・・ごめんなさいっ!」
そう言いながら子供を私に押し付け、深々と頭を下げた。
「きょっ、今日子・・・」
「夕御飯の支度、まだっ!」
と、今日子は冷蔵庫に向かって走り出していた。呆然と立ち尽くす私を尻目に、冷蔵庫から食べ物を取り出しながら、言葉を続ける。
「もう、健ちゃん、大変だったのよぉ!お医者さん行ったりで、一日中あたふたしちゃった!」
「えっ?・・・」
「お昼に抱き上げたら、体が熱くって、もう、怖くなってお医者さんに駆け込んだの!でねっ、お薬もらって帰ってきたんだけどさぁ、さっき、健ちゃんが咳き込んだのよ!私、もうびっくりしちゃって、でもっ、もうこんな時間病院やってないから、どうしようってなってたら、あっ、その時丁度、高橋さんが忘れ物を取りにいらしてたんだけどぉ、電話で聞いてみたらって高橋さんに言われて、もうっ、急いで電話して症状を説明していたら、あなたが帰ってくるし、もぅ、慌てちゃった!で、お医者さんが言うには、全然心配ないんだって!よかった、健ちゃん!」

いつもと寸分違わぬ妻が、そこにいた。
私は言い様のない脱力感に見舞われ、リビングの椅子に腰を下ろした。腕の中で子供がご機嫌な顔をしてこっちを見ている。
“全部、私の一人よがり妄想の勘違いじゃないか?”
現に、今日子はいつものように振舞っている。振舞っているというより、いつもの今日子そのものだ。
“もし、高橋に何かされていれば・・・”
こんな態度を取れる玉じゃないことは私がよく知っている。今日子は暴力的というか、ハードなシーンはからっきしダメな方で、テレビでそういうシーンがあってもすぐに目をそらし、「終わった?終わったぁ!?」と、聞いてくる。もし私が考えるようなことが少しでもあれば、そのダメージで今でも震えて、泣いているに違いない。
“何もなかったんだ!俺の考えすぎだったんだよ!”

そう思い直し、私はその確認作業に入った。
「なぁ?高橋さん、何忘れたんだって?」
「シャープペンシルよ!テーブルの下に落ちていたの!」
「高橋さん、ビデオカメラ持って来てただろ?あれ、何だったんだい?」
「えっ?あぁ、・・・実はさぁ、あれねっ」
今日子が料理を持ってリビングにやって来る。
「今度、習字教室の風景を撮りたいんだって!ところがね、高橋さん、使い方知らないんだって!で、教えてくださいだって!あんなの、簡単なのにねぇ。結局、それが一番知りたかったんじゃないの?・・・その後、10分くらい話して、帰っていったもん」

私は目の前で御飯を食べる今日子の顔を凝視した。
“普通の奥さんじゃないか”
今朝、あれほどいやらしく見えた服装も今は普通に見える。スカートにしたってミニではない。どこの奥さんも履いている普通のものだった。体つきだって、ポッチャリしているだけの事だし。
顔も人並みの顔だ、別に美人というわけではない。子供のような幼い顔と、張りのあるもち肌で、幼く見えるが、もう30才だし、実際は若くない。
“高橋にしたって・・・”
どこにでも居るような普通の奥さんに対して、どうこう言う物じゃ、ないだろう。今日子より欲望を刺激するような女性は、どこにでもたくさんいるじゃないか。
大体、不倫とか、レイプとかそうそうある物じゃないだろ?そんな物、普通にしてたら巡り会うことなんか、ない!そんな物、テレビの中の話だ。
なぜか、私はどうかしてしまっていたのだろう。ほら、いつもと同じ我が家の光景じゃないか・・・みんな、いつも通りじゃないか・・・

風呂にも入り、私は完全に平常心を取り戻していた。テレビの番組にも夢中になれている。
今日子が風呂から出てきた。
「今日は疲れたー!パパ、先に寝るね、おやすみぃ!」
そう言いながらリビングを出ようとする。
私は、あっ、と思い出し、今日子に声をかけた。
「そうそう!今日、帰ってきたら玄関のチェーンロックがかかっていたけど、どうしたんだい!」
ドアに手を掛けていた今日子の動きが止まった。
「・・・・えっ?あっ、・・・あれねぇ、・・・・さっ、最近、・・・この付近に不審者が出るんですって!高橋さんが、忘れ物取りに来たときに、そう言って、用心した方がいいって、・・・そっ、それで念の為に、かけておいたのよね!」
「・・・ふ~ん」
そう言って私は再びテレビに夢中になった。

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