妻の顔が青ざめていくのが手に取るように分かりました。
この時私は、今まで心の何処かで99パーセント確実と思ってはいましたが、
妻の反応を見て100セントの確信に変えて行き、自分のことなどすっかり棚に挙げ、妻に対する詰問を開始しました。
「他にもあるだろう?」
「他にはありません。」
妻は震えていました、目には涙を浮かべ始めています。
今までベッド端に立っていた妻は左手をベッドにつき、よろける様に、ベッドに座り込みました。
後ろ向きになった妻の顔は見えませんが、肩が振るえ始めているのは分かりました。
その姿を見たとき、私の中に罪悪感のような物が少し頭をもたげた。
「嘘は止めよう、まだ俺に隠していることが有るだろう。」
「・・・・」
「それなら、俺の方から言おうか?」
「何をですか?」
妻は、声を荒げてそういうと、両手で顔を多い前かがみになってしまった。
「麻美、お前男がいるだろ!」
「何でそんなこと言うの!」
逆切れに近い口調で言う妻に対して、私の罪悪感は吹っ飛び、立ち上がると、クローゼットの中から妻のバック取り出し、そのバックを妻に目掛け投げつけました。
床に落ちたバックを妻は胸に抱きかかえ、私に背お向けました。
「バック開けてみろ!」
「嫌です!」
「開けろって言ってるんだ!」
「・・・」
妻は、後ろを向いたまま、首を横に振るばかりです。
怒り心頭に達した私は、妻に駆け寄り、取られまいと必死になる妻から無理やりバックを取り上げると、
内ポケットから例の3つを出すと、ベッドの上に投げつけた。
「タバコは、分かった。
でもこの高級ライターは何だ?
俺は買ってやった覚えは無い。
そのポケベルは何のためにある?、
お前が何で俺に隠れて、そんな物持つんだ?
説明しろ!」
「他人の者を勝手に見るなんて酷い!」
「お前がそんなことを言えた立場か!」
一度は私を睨み付けた妻ですが、あまりの私の形相に床に座り込み泣き出しました。
その時ドアを叩く音がして、静かに開きそこには、儀父母か立っていました。
「大きな声を出して、どうかしたの?。」
「義父さん、義母さん何でもありませんから。」
とりあえずその場を取り繕って、儀父母を自室に帰しました。
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