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北原夏美 四十路 初裏無修正

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投稿者:異邦人 投稿日:2004/10/08(Fri) 01:05

部屋に帰ると、私達夫婦の間には、出掛ける前よりも一層距離感が増したような気がしました。

私「これで終わったと思うなよ、
  俺達の事はこれから始まるんだからな。」
妻「そんなこと思ってません。
  簡単に許して貰おうとは思ってません。
私「そこからもう違うよ、
  俺がお前を許せるわけが無いだろ。
  もし俺がお前を裏切って浮気してたら、お前は俺を許せるのか。」
妻「私にそんな権利は無いです。」
私「そうじゃない、俺がお前を裏切っていたらとしたらだよ。」
妻「解りません、今の私には。」

今私が、由香里との関係を妻に伝えれば、妻の気持ちは直ぐに解るでしょう。
逆上するか、それとも自分の立場を理解した上で、穏便に済ませるか。
しかし私は、この時点で由香里との事は妻に伝える気は一切なく、この答えを知ることを意識的に先延ばしした。

私「お前に聞いておきたいことがある。」
妻「はい。」
私「栗本のことが好きなのか。」
妻「・・・解りません。」
私「そうやって誤魔化すのは止めろよ。
  さっきも言ったが、お前は好きでもない男とセックスが出来るのか。」
妻「本当に解らないんです。」
私「それじゃ、何であいつに抱かれたんだ、
  言ってみろ、理由があるだろ。
  俺とのセックスに不満があったのか。
  それとも、生活が嫌になったか。」
妻「・・・」
私「本当はあいつのことが好きで、セックスがしたくて
  堪らなかったんだろ。」
妻「・・・違います。」
私「何が違う、どう違うんだ言ってみろ。」
妻「彼と寝たのは弾みだったんです、
  初めからそんなことする気は無かったんです。」
私「それなら聞くが、セックスする前に栗本と会っていたことを何で俺に隠してた。」
妻「それは、貴方が嫌がると思って。」
私「普通の男は、自分の奥さんが他の男と、しょっちゅう二人で逢っていれば嫌がると思うぞ。
  お前は、俺が他の女と二人きりで、しょっちゅう会っていても平気か。」
妻「すみませんでした、ごめんなさい。」
私「お前が俺に黙っていたのは、何れあいつとセックスすることを期待していたからだろ。
  そうでなければ、黙って逢ってた理由が見つからない。」
妻「ごめんなさい、もうしませんから。」
私「麻美ね本当の事を言えよ、
  あいつと寝たいと思って付き合っていたんだろ。」
妻「・・・そうかもしれません。」
私「あいつと寝てからも、俺ともセックスしていたのは何でだ。
  あいつや俺に悪いとは思わなかったのか。
  あいつとの事がばれない様に、しょうがなく俺とも寝てたのか。」
妻「そんな積もりは有りませんでした。
  栗本とは、何れ別れる積もりでした。」
私「ばれなければ、これからも続ける積もりだったのか。
  」
妻「今更言っても、言い訳にしかなら無いけど、
  貴方に申し訳ないという気持ちは、何時も有りました。
  でもずるずると、続けてしまいました。
  こんなことになって初めて自分のした事が大変なことだと気付きました。」
私「そんなことにも気付かないくらい、あいつとのセックスが良かったのか。」
妻「そんな言い方しないで下さい。」
私「でも、ずるずると続けていたのがその証拠だろ。」
妻「そんなにセックスが良かった訳では有りません。
  ただ、こんな事を言うと貴方に嫌われるかも知れない気と、
  最初はね貴方以外の男性に興味があったのかも知れない、
  それがたまたま、栗本だったんだと思います。
  だけど直ぐに止めなければと思い話したんだけど、
  かえって呼び出しが多くなって、最近では貴方が家に居るときまで、電話が来るようになってしまって、
  しょうがなく逢いに行くと、結果そうなってしまいました。」
私「詰まり、結果はどうあれ、お前も承知の上で浮気したのは間違いないということだな。」
妻「本当にごめんなさい。
  貴方のことが嫌いになったわけではないです。
  栗本とのセックスが貴方より良いからじゃないです。
  気の迷いてです、許して下さい。」

何処まで本当か、そんなことはこの時点で私にとっては、さほどの意味は有りませんでした。
妻が他の男と寝ていた、その事実だけは私の心に重く圧し掛かっていた。
私だけの妻であって欲しかった。

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