いつもの妻なら酔って意識が朦朧としていても、一緒にホテルに入る時点で拒否していたかも知れませんが、その日の妻は最初から悶々としていた上に、酔った事で更に身体が疼いてしまい、ホテルに連れ込まれても拒否する事もなく、その疼きを癒して欲しい気持ちが勝ってしまったのでしょう。
「その日は一度抱かれて終わったのか?朝まで一緒だったのなら、それでは済まなかっただろ」
「はい・・・・・・・・」
「2度目には酔いも醒めてきていただろ」
妻は重苦しさで目覚めると、目の前に佐々木の顔がありました。
まだ少し酔いも残っていて、すぐには状況が掴めずに、何故自分の上に佐々木が乗っているのかさえも分かりません。
しかし徐々に意識がはっきりしてくると、宴会が終わると佐々木の車に乗せてもらい、その後誰かとセックスをした記憶が甦り、今の状態から相手は佐々木だとようやく悟ったと言います。
「いやー!」
「急にそんなに大きな声を出すなよ」
「降りて。これは違うの。酔った上での間違いなの」
「間違い?今更そんな事を言うのか?それならさっきの、もっと動いてーと言って、下からも腰を使っていたのは何だったんだ?」
そう言われてみれば、焦らすようなゆっくりした動きが続き、焦れったくなってそのような事を言ってしまった記憶があります。
妻は羞恥心と後悔から、何とか佐々木から逃げようとしましたが、上から押え付けられていて動く事が出来ません。
すると佐々木の腰が動き出し、その時初めてオチンチンを入れられている事に気付きました。
何とか押し退けようとしていた妻も、腰の動きが早くなると不覚にもまた感じ始めてしまい、感じてしまうと逆らう事も出来なくなって、その後一度出して余裕のある佐々木に、何度逝かされても許してもらえず、朝まで色々な体位で責め貫かれたそうです。
この事は百歩譲って、いいえ千歩譲って私が満足させなかったのと酒に酔った事が原因だったとしても、妻を許せるものではありません。
ましてや本当に後悔があるのなら、翌月も抱かれた事は理解に苦しみます。
その時は訳が分からなくなっていたにしても、家に帰ってからは冷静になれたはずです。
多かれ少なかれ、当然罪悪感もあったはずです。
勿論、家族が壊れてしまう可能性も考えたでしょう。
しかし妻はまた関係をもってしまった。
この事はどう説明されても、納得出来るものではありません。
「ホテルを出て彼の車の助手席に乗ると、罪悪感で押し潰されそうになりました。彼が運転しながら、私を何度も喜ばせた事を自慢する度に、取り返しが付かない事をしてしまったと、凄く悔やみました。私が感じている時の様子を詳しく聞かされる度に、車から飛び降りて死んでしまいたくなりました」
「佐々木に送ってもらったのか?」
「先月までずっと・・・家の近くまで」
「本当に罪悪感があったのなら、どうして翌月も抱かれた!その後もどうして関係を続けた!」
妻が言い辛そうに脅されたと言った時、私は写真の存在を思い出しました。
「写真を撮られて、それで脅されたのか?」
「写真を撮られた事は気になっていましたが、直接それで脅された事はありません」
「それなら何で脅された!本当は脅されたなんて嘘で、佐々木にまた抱いて欲しいと思ったのだろ。そんなに佐々木とのセックスは良かったのか?」
「正直に言います。抱かれて凄く感じさせられた事で、終わった直後はその様な気持ちも少しあったかも知れません。でも、二度とあなたを裏切りたくなかった。罪悪感の方が強くて、二度と関係を持つのは嫌でした。何より・・・彼の事は好きではなかったし」
「好きではなかった?好きでもないのに、それ以前も毎回送ってもらったのか?好きでもないのに抱かれたのか?」
「ごめんなさい。彼に抱かれてしまったと分かった時、私自身凄いショックでした。彼の事は好きではないというより、はっきり言って嫌いでした。初めて送ってもらった時から、毎回車の中で卑猥な話をしてきたり、私達夫婦のセックスをしつこく聞いてきたり、時には締まりが良さそうな足首だとか言って、私の身体を批評したりもしました」
佐々木は厭らしい話をするだけで触るなどの行為は無かったために、妻は子供達の関係も考えて、愛想笑いをして聞き流していたそうです。
「そんなに嫌だったのなら、送られるのを断われば良かっただろ」
「何度も断わりました。でも父母会の中での関係を考えると、強くは断われなかったです。それでも一度だけ強く断った事がありますが、その時は遠慮するなと言って、強引に私の手提げバッグを持って行って、車に積んでしまいました」
「どうしてその事を俺に言わなかった」
「言えばあなたは心配すると思ったから。もう応援に行くなと言われると思ったから。卒業まで私さえ我慢すれば、何もかも穏便に済むと思って」
この話が本当だとすれば、佐々木は初めて会った頃から、ずっと機会を狙っていたのかも知れません。
佐々木に抱かれてから翌月の試合が一週間後に迫り、佐々木と顔を合わせなければならない事で悩んでいると、その事を知っているかのように佐々木から携帯に電話がかかり、ホテルを予約したと言われたそうです。
妻は強く断わりましたが、すると佐々木は一夜を共にしたら愛してしまったから、妻を狙っている他の父親が手を出さないように、父母会のみんなに自分の女になったと宣言すると言いました。
「そんなのはただの脅しだ。奴も家族に知られては困るから、誰にも言えないに決まっている」
「いいえ、父母会で噂になっても、あなたや奥さんは一度も出てこないし、遠くに住んでいるから噂は伝わらないと。例え出てくる事があっても、陰で話すだけで直接本人には誰も話さないと」
妻は可愛い格好をしていたので若く見え、父母会の父親連中には結構人気があったようで、お茶を誘ってきた父親も何人かいたそうです。
ただの脅しではなくて、佐々木はそのような妻を落とした事を、自慢したかったのも事実だったかも知れません。
コメント
コメントの投稿
トラックバック
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)