3番目の夫 7/17(月) 19:13:34 No.20060717191334
いつも読んでいただいてありがとうございます。
感想の中で『KYO』様が母のことを「本当にかわいらしい」
と言ってくださった事に嬉しくて感謝いたします。
そこで今日は本題と外れますが、母の事を少し書きたいと思います。
『KYO』様がおっしゃる通り母は本当に可愛い人でした。
しかし自分が母の息子と言う立場だった頃は「おいおい、もう少し
大人になってよ・・・ちょっとたりないんじゃあないの?・・・」
等々、母の天然ボケや浅はかさ加減にあきれ返る事がしばしばでした。
それが図らずも自分が息子ではなく『3番目の夫』になってみて、
母がこんなに可愛い女だったのかと今更ながらに気付くのでした。
母の時代の女性(戦中、戦後に青春を送った世代)は
控えめでおしとやかで、辛抱強く良妻賢母、『大和撫子』を
絵に描いたような人が多かった様です。
しかし母は違っておりました。
よく言えば 自由奔放、天真爛漫・・・
悪く言えば 我がまま、自己中です。
いつの時代にも変わった人はいるもので、今で言う所の
『コギャル、ヤンママ』のような人でした。
実家は、戦前は名主をしていた程ですのでまあまあ裕福なほうでした。
その上 五人兄弟の末娘として家族中から
甘やかされて育ったんだと思われます。
母が娘時代のエピソードとして私に語ったところによると、
「洋裁を習いに行く」と言って親からお金を出してもらい
その実、当時一大ブームだった『社交ダンス』を習いにダンスホールへ
通い詰めたりと好き勝手な事をしいたそうです。
当時は二十歳を過ぎるとそろそろ嫁入りの話が来だす頃で
母は田舎の農家に嫁に行くのがいやで ある時、親に
『大姉のぶどう園に手伝いに頼まれたので行く』
(大姉とは母の姉妹の中の一番上の姉のことで
母より一回り年上の長女で山形の果実園農家に嫁に行っていた)
と嘘を言い、親からお金を貰うとそのまま一人で汽車に乗り
東京の叔母の家に転がり込んだのでした。
当時はまだ一般の家には電話など無い時代でしたので
直ぐにはバレませんでしたが二ヶ月もすると大騒ぎになり
『帰って来い』『帰らない』と押し問答の末に ついには
父親が東京まで母を連れ戻しに来るまでになりました。
田舎に帰りたくない母は「『東京もん』の所へ嫁に行けば
帰らなくて済む」と考えて叔母に頼み込み、当時 独り者だった
叔父の甥っ子の父の所へ嫁に来たのでした。
「じゃあなにかい?母さんは田舎に帰るのが嫌だから親父と
結婚したのかい?」と私が呆れて聞くと
「それもあったんだけれど、あたしだって誰でも好いとは
思って無かったわよ。 うふふ、お父さんを一目見て
『ああ!この人だ』って思ったの。だってお父さんとっても
ハンサムで素敵だったのよ。『やっぱ東京の男の人は違うわ』って
思ったわ。お父さんはまだ結婚する気がなくってね、八人兄弟の
長男だったから弟や妹が独立するまでは結婚しないって・・・まだ
二人残っていたから・・・結婚出来ないって思っていたんですって」
「でもあたし どうしてもお父さんと結婚したくて
叔父さんに頼んだのよ。 叔父さんも『こんな跳ねっとうの幸子を
幸せに出来るのは義男しかいない』って言ってくれて結婚出来たの」
父もやはり、ちょっと天然ボケの母の可愛らしさに参ったのだと思います。
とても仲の好い夫婦でした。
母が失敗しても「ごめんなさーい」と
肩をすぼめながら愛らしい上目遣いで謝られると
父は「しょうがねえなー」と許すしかなかった事でしょう。
『○○は死ぬまで直らない』と言いますが
母は本当に死ぬまで可愛らしい女性でした。
話は変わりますが、私の話はこのサイトを良く見ていてくれている
人達には『つまらない、物足りない』と映るかもしれませんね。
此処で語られるお話の多くは『浮気をされた夫』の立場で
語られています。
しかし私の話は母から聞いた事を元にしておりますので
当然ながら『浮気をした妻』の立場でお話させていただいております。
ですので『寝取られた夫』の気持ちや葛藤の話は 父が出稼ぎから
帰ってくる十二月の話まで待っていただく事になるのです。
それまではいかに母が夫を忘れて浮気相手の意のままに
成って行ったかをお話ししたいのでしばらくお付き合いください。
その上、みなさんのお話は先が見えないスリルがありますが、
私のお話にはそれは有りませんしね。
浮気をした母は色々な父との葛藤が有りましたが
最終的には許されておりますし、それどころかその後も
夫公認の元、佐藤との浮気を続けておりました。
その事は色々な偶然と母の運の良さ(悪運の強さ)によるものだと
私は感心しているのです。
そこの所が 私は非常に面白いと思い、
みなさんにも聞いていただきたい所なのです。
そう言うわけですので申し訳ございませんが
最後までお付き合いくださいますようにお願いいたします。
それでは続きをお話いたします。
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