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北原夏美 四十路 初裏無修正

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BJ 7/16(日) 06:37:37 No.20060716063737 削除
私たちの住むマンションの一室はいつも清潔に管理されていて、塵一つ落ちていません。その完璧さ、静謐な趣は、妻の人柄そのもののようでしたが、私はいつしかその家に居るときに、安らぎよりも重苦しさを感じるようになっていきました。

もともと私は品行方正には程遠い人間です。瑞希と結婚した当初は、だらしない所業とは縁を切り、よき夫になるべく努力しようと心に誓ったものですが、当時の私はそんなことさえ忘れはて、夜の街で酒や女に溺れる生活に逆戻りしはじめていました。

そんな私を見つめる妻の瞳には、さすがに沈んだ色が濃くなっていたように思います。しかしどんなときも彼女は何も言わず、自分を崩すこともありませんでした。そのことが私をますます苛立たせます。暗い孤独が私を満たし、時には八つ当たりとしか言えない怒りを妻にぶつけるようになりました。私は日々、荒んでいきました。

ある夜のことでした。仕事を終えた私は、高校時代の旧友で赤嶺という男と久々に待ち合わせて、いっしょに夜の街に繰り出しました。
この赤嶺という男は昔からどこかひとを食ったようなところがあり、一風変わった凄みを感じさせる人間でした。当時はアダルトビデオの製作などを主たる業務としている、S企画というプロダクションに勤めていました。
そんな仕事をしている男だけに、いかがわしい遊び場などには詳しく、若い頃はよく彼に付き合って悪い遊びを教わったものです。

「久々に会ったってのに、いまいち表情が暗いな。何かトラブルでも抱えているのか」
赤嶺の言葉に、私は顔をあげて彼を見返しました。酒場の暗い照明の中で、彼の鋭い目がじっとこちらを見ていました。
「分かるか。相変わらず目ざといな」
「何があったんだ」
私は赤嶺に妻との不和を話しました。
「そうか、あの奥さんがね。お前には出来すぎたひとだと思ったがなあ」
赤嶺も私の結婚式に出席してくれたので、妻のことは見知っています。
「しかし、お前も昔から女にはとことん弱い奴だな」
「お前みたいに割り切れないからだろうな」
「ふん。女なんてベッドに転がせば、なんとでもなるもんだ」
下卑た笑いを浮かべつつ、赤嶺はくっとグラスをあけました。
「たいした自信だな」
「お前こそらしくもなくメソメソしやがって。どこかおかしいんじゃないのか。それともよほど奥さんにいかれちまっているのか。たしかに美人だったけどな。美人なだけじゃなく、色気もあった」
「色気? それは眼鏡違いだぜ。あいつほど色気のない女をおれは見たことがないね」
妻のことを「あいつ」と呼んだのはその日が初めてでした。
「分かってないな。ああいう物堅い感じの女が一番そそるんだよ。とくに俺のような人間にはな」
「はっ、そんなものかな」
「そうさ。奥さんと結婚したのが、お前で残念だね。俺だったら奥さんの女としての性能を、最大限まで引き出してやれるんだがな」
女としての魅力とは言わず、性能と言ったところが、いかにも赤嶺らしい言い方です。
「ほざけ」
私は吐き捨てるように言いましたが、心の中では動揺していました。

夜遅くになって三軒目の酒場を出、さてこれからどうしようかというときでした。不意に赤嶺が言いました。
「お前の家、ここから近かったよな。次はお前の家で飲もう」
「バカを言うな。何時だと思ってる」
しかし、妻はまだ起きているだろう。私はそう確信していました。今までどんなに遅く帰っても、妻は先に寝ているなどということはありませんでした。
「いいじゃないか。たかが悪友ひとり、夜遅くに連れ込んだところで、そんなことに文句を言う女房でもないんだろ」
赤嶺は不敵な笑みを浮かべて言いました。妻もたいがい何を考えているのか分からない人間ですが、この男も相当なものです。

私はついに根負けして、赤嶺を自宅に連れて行くことにしました。

マンションに帰り着いたころには、もう深夜三時を回っていました。
鍵を回してドアを開けると、予想通り瑞希はまだ起きていて、玄関へやってきましたが、赤嶺の姿を目にして、はっと立ち止まりました。
「友達の赤嶺だ」
「どうも奥さん、お久しぶりです。結婚式以来ですな」
「きょうは久々に会ったから、これから家で飲みなおす。酒とツマミの用意を頼む」
非常識な私の言葉に、しかし瑞希はいやな顔をするでもなく、「分かりました」と一言だけ言うと、赤嶺に会釈をしてから家の奥へ消えていきました。
「たしかに相当なもんだな」
赤嶺がそっと私に耳打ちしてきました。
私は喉の奥で苦い気持ちを飲み下しました。

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まとめtyaiました【よき妻 2】
BJ 7/16(日) 06:37:37 No.20060716063737 削除私たちの住むマンションの一室はいつも清潔に管理されていて、塵一つ落ちていません。その完璧さ、静謐な趣は、妻の人柄そのもののようでしたが、私はいつしかその家に居るときに、安らぎよりも重苦しさを感じるようになって?...
2012/05/20 07:50 | まとめwoネタ速neo

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