BJ 7/23(日) 00:37:48 No.20060723003748 削除
左手で乳房を隠し、右手に持ったタオルで股間を隠しながら、妻がゆっくりと歩いてきました。途中、ちらっと私と目が合いましたが、すぐに羞じたように目を逸らせます。時刻はもう夕暮れでしたが、夏のことでまだ日は高く、うっすらとした西日が妻の白い裸身をかすかに染めていました。
赤嶺を見ると、彼はいつものように鷹揚にかまえ、明子とふざけあっていましたが、その実、視線はちらちらと妻を見ています。明子はそんな赤嶺を見て、耳元で何か囁きました。
かけ湯を浴びた後、妻はやっと湯船のところまでやってきました。私の浸かっている湯のすぐ近くに立って私を見ます。私がうなずくと、妻は諦めたようにタオルを置いて、皆の前で裸を晒しつつ、湯船に足を沈めました。
「瑞希さんたら、いまどき混浴くらいでそんな悲壮な顔することないじゃない。私だって裸なんだから」
明子が明るく声をかけて、妻はかすかな微笑でそれに応えましたが、決して赤嶺や明子と視線を合わせようとはしませんでした。
「わるいな。うちのはこういうのになれてなくてね」
「あら、私だって別になれてるわけじゃないわ」
唇を尖らせた明子が、くねくねと肢体をゆすって抗議します。その仕草は妻の抑制された色気とは別種の、挑発するような艶っぽさを放っていました。
「それにしても瑞希さん、白いし細いし、本当にお綺麗な身体をしてるのねえ、うらやましいわ。ね、そう思わない?」
明子がはしゃいだ口調で赤嶺に問います。赤嶺は先ほどからはもはや遠慮のない視線を妻に向けていましたが、
「たしかにお綺麗だけど、俺がうらやましいのは瑞希さんじゃなくて――だよ。こんなひとを奥さんにしているんだからな」
言って、にかっと笑いました。その言葉に妻はますます身を縮こませ、その身体は湯の熱さのためばかりでなく、仄赤く染まっています。
「・・・というわけで、こいつは大学時代、お前に惚れてたんだって」
「もうっ。そんな話、瑞希さんの前でしなくてもいいじゃない」
「いいじゃないか、四人こうして裸になって一緒の湯に浸かってるんだから、心の底まで裸になって語り合おうや」
相変わらず黙りこくったままの妻を残して、赤嶺と明子は勝手な話をしています。むろん、作り話です。
「その話は本当なのか?」
私が問うと、明子は微笑んで、
「そうね。好きだったかも」
「この前は好きだったってはっきり言ってたじゃないか」
赤嶺が横から口をはさむと、明子はそのほうを軽く睨んで、
「チャチャをいれないでよ、もう。でもあの頃、――さんに憧れてる女の子は他にもいたのよ。だって凄く優しいし、ハンサムだし、それでいてちょっと翳りがあるところなんか魅力的だったもの。とても私なんかとじゃ釣り合わないと思って告白も出来なかった」
こちらが赤面するようなセリフを明子はさらっと言ってのけました。妻はいま、どんな表情をしているだろうと気になりました。
「だからきょう瑞希さんを見て、納得したわ。ほんとお綺麗で女らしい方、――さんとお似合いだわ」
「僕らのことはともかく、明子だって赤嶺とお似合いだよ。幸せそうだ」
「ふふ、優しくもないし、ハンサムでもないし、翳りなんかどこにもない俺とお似合いだってさ」
赤嶺はおどけたようにそう言うと、明子の裸の肩に手を回し、自らの元に引き寄せました。もう一方の手を明子の乳房に伸ばし、その先端の突起をちょっと摘まみます。
「あん。もう、恥ずかしいことしないで。――さんと瑞希さんの前なのよ」
甘えるような舌足らずの口調で抗議しながら、明子はちらりと妻を見たようです。
そのとき、私は湯の中で自分の手に妻の手が触れてくるのを感じました。私の手をぎゅっと握ったまま、妻はやはりうつむいたままの格好です。その細やかなうなじと裸の背中に私は新鮮な欲望を覚えました。
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BJ 7/23(日) 00:37:48 No.20060723003748 削除左手で乳房を隠し、右手に持ったタオルで股間を隠しながら、妻がゆっくりと歩いてきました。途中、ちらっと私と目が合いましたが、すぐに羞じたように目を逸らせます。時刻はもう夕暮れでしたが、夏のことでまだ日は高く、う?...
2012/05/24 10:56 | まとめwoネタ速neo