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北原夏美 四十路 初裏無修正

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種無し 1/19(金) 04:28:27 No.20070119042827 削除
私の顔を見た妻は目に涙を溜めながら、縋る様な目で何かを訴え掛けていました。
「どうした?」
「今日彼と話し合ってきました。そうしたら彼に断られたの」
「精子を提供してもらう話はついていたのだろ?・・・・・・・でも無理もないか。
自分の分身がもう一人、この世に存在する事になるのだから」
「違うの。その事は納得してくれているの」
「それなら何が?」
妻はしばらく黙ってしまいましたが、一度大きく深呼吸すると、彼が話した内容を話し始めました。
「彼は奥様に内緒で提供してくれるの。奥様のショックを考えたら、絶対に知られたくないって」
「だから俺に成りすますって・・・・・」
「ええ。でもよく考えたら、そんな事が上手く行くはず無いと思えてきたようで、真面目な人だから、これは犯罪だからやめておこうって」
「それならちゃんと届けて、正式に提供してもらったらどうだ?」
「私も考えました。彼にも相談してみました。でも彼は、そうなれば色々な検査も有るだろうし、手続きも簡単では無いと言って・・・・・・・」
妻の目から涙が毀れます。
「それに届ければ、彼の子供だと何処かに残ってしまうし、第一このような事が許されるかどうかも分からないって」
「諦めよう。俺が不甲斐無いばかりに、辛い思いをさせてしまったな」
しかし妻はまだ何か言いたそうで、私の目を見詰めています。
「どうした?諦め切れないか?」
「彼が言うの。あなたさえ理解してくれれば、誰にも知られずに、違法にならない方法が一つだけあるって」
「どのような?」
「つまり・・・・・・直接・・・精子をもらう・・・・」
「よく分からないが?」
「彼が私の中に、直接精子を入れる方法が・・・・・」
私は耳を疑いました。
「言っている意味が分かっているのか!駄目に決まっているだろ!」
「私も断わりました・・・・・・・もう・・この話は忘れて下さい」
妻はこれで子供が出来るものだと思っていて、妊婦の読む雑誌を買ってきたりしてここ数日舞い上がっていただけに落ち込みようは可也のもので、私にその原因があるので声も掛けられません。
そして次の日、私が帰ると電気もつけずに、妻は真っ暗な中で泣いていました。
「今日彼に、正式にお断りしてきました」
「駄目になったのだから、もう相手を教えてもらえるか?」
しかし妻は相手の男の話はせずに、その彼に言われた事を一方的に話します。
「彼が言うの。今回の事は、私はあなた以外の男性を受け入れる事で苦しみ、あなたは自分の妻に他の男性が入る事で苦しむ。そして彼は奥様を裏切り、子供達に対しても、知らない所に自分達の兄弟がもう一人いるという、罪深い事をしなければならない。結局3人が地獄の苦しみを味わわなければならない。でも一つの命をこの世に生み出すと言う事は、そんな3人の苦しみなど、凄く小さな事に思えるほど神聖で尊い事だって」
妻が相手の素性を明かさないのは、まだ望みを捨てきれないでいたからでした。
「彼の提案を受け入れてでも、香代は子供が欲しいのだろ?」
「ううん。あなたにそんな苦しい思いをさせてまでは・・・・・・」
私に苦しい思いをさせるからと言う事は、裏を返せば私さえ我慢出来れば、妻はその様な行為を受け入れてでも、子供が欲しいと言う事です。
「香代はこんな俺でも好きか?子供も作ってやれない俺でも好きか?」
「・・・・・・・・・・・・・私はあなたを愛しています」
「それならいいぞ。誰だか知らないが、彼にもう一度頼んでみろ」
妻はようやく笑顔を見せましたが、私に悪いと思ったのか、すぐに真剣な顔になって頭を下げました。
私はどうしてこのような事を言ってしまったのか、自分でも分からずにすぐに後悔しましたが、これも全ては私に子供を作る能力が無い事が原因なのです。
「その代わり、ただの生殖行為でセックスはしないでくれ」
「どう言う意味?」
「服は脱ぐな。それと触らせるな。勿論香代には感じないで欲しい。露骨な言い方だが、ただ入れて出してもらえ」
「でも脱がないと・・・・・・・」
私はそのために脱がずに出来る穴の開いたパンティーと、妻が濡れていなくても結合出来るように、潤滑剤のローションを買ってくると言いました。
このような方法で子供を儲ける事は馬鹿げていると思われるかも知れませんが、皮肉にも妻は毎日子供達を見なければならない仕事で、精神的にも限界が来ていると思ったのです。
そして私も全ての原因が自分にあるだけに、その様な妻を見ていて普通の精神状態では無かったかも知れません。
その後はとんとん拍子で話が進み、相手の希望で妻が妊娠可能な時期の土曜日に、シティーホテルに泊まって行う事に決まりました。
「泊まりになったのは、すぐに動かずに安静にしていた方が、妊娠の確率も上がると彼が言うからで、泊まりでもそのような行為は一度だけだからね」
「それなら、終わったら電話してくれ。その後俺も一緒に泊まるから」
「奥様には出張で一晩帰れないと言って出て来るから、終わっても彼は帰れないの。だからもう一部屋とって彼も泊まっていくから、あなたが来ては顔を合わせてしまうかも知れない。精子を貰うだけで、終わったらすぐに自分の部屋に行ってもらうから信用して」
いよいよ翌日に迫った金曜の夜、妻は裸で私の隣に入ってきました。
「ごめんね。抱いて。抱いて欲しいの。今日抱いてもらえば、あなたの子供だと思って産めるから」
私は妻を激しく突き続け、妻も涙を流しながら私にしがみついていました。
「ごめんね・・・・ごめんね・・・・・」
そして翌日の夕方、妻はお風呂に入っていつもよりも念入りに身体を洗い、私がアダルトショップで買ってきた、売っていた中では一番地味でも普通の下着に比べればセクシーな、穴の開いたパンティーを穿いて出掛けて行きました。
その夜私は、地獄の苦しみを味わいます。
どんなに眠ろうと思っても、見知らぬ男の下で悶える妻の姿が浮かんで眠れません。
妻は妊娠すれば、これから生みの苦しみを味わいます。
これは私の生みの苦しみだと言い聞かせても、次から次に涙が溢れてきて止まりません。
それでも翌日の昼前には、妻の顔を見た事で少しほっとしましたが、妻は可也やつれて見えました。

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