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北原夏美 四十路 初裏無修正

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3番目の夫 7/27(木) 19:54:37 No.20060727195437

〔 「あたしって本当に馬鹿なの」と 
母はその頃を思い出しては苦笑います。
今でこそ笑い話で済まされますが、当時は余りにも酷い 
自分の馬鹿さ加減に『死んでしまいたい!』と本当に思ったそうです。

簡単に佐藤に騙された事もそうですが、
(私に言わせれば 自分の中の浮気をしたい淫乱の性が、丁度よく誘っ
てくれた佐藤の言葉に自ら進んでのめり込んで行ったのだと思うのです。
そうでなければ 父が言うように父が浮気をしたからと言って
自分もしようとは普通の主婦は思わないはずです。)
佐藤との浮気の証拠になるような物を、家に持ち帰えったり浮気相手に
買ってもらった物をこれ見よがしに飾って置くなど
常識的に考えれば出来ないし してはいけない事のはずです。

父が帰って来るまでの母の気持ちは、
『佐藤の女で居たい』と本気で思っていたとの事でした。
(私が思いますに 浮気をした自分の行為を正当化させるために
自分自身の中にある父への愛を封じ込め『義男』と言う
架空の人格までつくり 自分の破廉恥な浮気を正当化して
信じ込もうとしていたのではなかったか?と思うのです。
そして浅はかで単純な母は本心から信じ込んでしまったのでしょう)
その為、佐藤との浮気は誰にも隠す事は無い
純粋の愛だと言う思いが有り、しいては夫に知られて
離婚させられても良いとさえ思っていたのでした。
ですから あえて浮気の証拠を家に持ち帰っても
平気だったのだと思うのです。

「お父さんにばれたら 離婚して佐藤さんの
『お妾さんになればいいんだ』って思っていたのね・・・馬鹿でしょう?」
そうなればそうなったで 良いきっかけだと言う
気持ちがあったのでした。
ですが母が一番に馬鹿だったと思うのは、浮気をして佐藤ののめり
込んだ事は仕方が無かったが、父が帰り父への愛に目覚めた時になぜ
直ぐに浮気の証拠を隠さなかったのか?と言う事だったのでした。

「あの時すぐに隠して置けば お父さんにばれずに済んだと思うのよ。
その時間も有ったのに あの時はもうお父さんに会えたことが
嬉しくって そして抱いてもらいたくって舞い上がっていたのね」

「でもその時はばれなくても 
その後で佐藤から呼び出しが有ったらどうしたのさ?」
「うーん、やっぱり浮気を続けていたわね。・・・
お父さんを裏切り続けていたでしょうね・・・そして、
やっぱりばれたわねえー・・・あたしじゃあ隠し通せなかったわねー
結局 あの時ばれたのが一番良かったのよ」 〕


母が下を向いて泣いていると その前に父が立ち
母が大事に胸に抱えていたあの白いバッグをもぎ取りました。
母が『ハッ』として父を見上げると、父が片手に父が買ってくれた
白いバッグをもう片手に佐藤が買ってくれた
鰐皮のバッグを持って見比べておりました。
鰐皮のバッグは箪笥の上の目立つ所に置いてあったのです。
母は又しても 父を怒らすことになってしまったと青ざめるのでした。
「これもあいつが買ってくれたのか?」
父の顔は赤を通り越して青くなっていて 
もう母はまともに見ることも出来ません。
「『これもあいつが買ってくれたのか』と聞いてるんだよ!」

「いやー 怒らないで あなた ごめんなさい・・・
・・・一番初めに買ってもらって それで・・あたし・・・
あたし嬉しくって・・・それで・・・ごめんなさい あなた許して・・・」
母は泣くのも忘れて 先の見えない恐怖に体を震わせていました。
「こんな高いものを買ってもらったから 
嬉しくってあいつの女になったんだな。
あいつは金持ちだからさぞいい思いをさせてくれたんだろ?

お前は、俺がこんな安物を買ってきて 
内心じゃあ馬鹿にしていたんだろ?
あいつにいつも高い物を買って貰ってたお前が、こんな安物で
喜ぶわけ無いって、喜ぶ振りして陰で笑っていたんだな?・・・」
そう言って白いバッグを、母の目の前で小刻みに振って見せます。
母はもう言葉が出ません。否定をしたいのにそれすら出来ないのです。
そう思われても仕方が無い事をして来たのですから。
言い訳をすれば 又夫を怒らせるだけだと解るのでした。
ただただ 激しく首を横に振るのみでした。母の目から再び涙が溢れます。

「ちきしょう 俺はなんて言う馬鹿なんだ。お前達の為に一生懸命
汗水垂らして働いてやっと家に帰って見りゃあこのざまだ。
お前が喜ぶ顔が見たくて買って来たこのバッグも
お前の大事な旦那様の買ってくれたバッグと比べられちゃあ
嬉しくもなんともねえ安物の出来損ないだったな。
こんな安物を押し付けられちゃあ お前もさぞかし迷惑だったろう
そんな事も気付かなった俺が悪かったよ。」
と父が自分をせせら笑うように言うのでした。
「違うの・・違うのよ・・私が馬鹿だったのよ 許してねえ許して
そんな物貰って喜んで・・・ああーどうしたらいいの?・・」
母にとって父がどんなに大切な夫か、父から買ってもらったバッグが
どんなに嬉しいか 佐藤との浮気を、今どんなに後悔しているのか
父に聞いて貰いたいのに その言葉も出ない母でした。

「もういい!! お前は旦那様から買ってもらった
お気に入りのバッグを持って出て行け!!」
そう言うと父は鰐皮のバッグを母に投げつけました。
バッグは母の肩に当たり目の前に転がります。
「ひっ!」母は悲鳴を上げるのでした。
目の前の あれ程大事で気に入っていたバッグが、今となってはとても
おぞましくて 見るのも触るのも いやで汚らわしい物に見えるのです。

父は、自分が母のために買って来た白いバッグを持ったまま 北側の窓を
開けると「ちくしょう!」と叫び 外に向かって放り投げるのでした。
それを見た時に母は絶望感で死んでしまいたくなるのでした。
自分が散々夫を裏切ってきて出来るなら佐藤の『妾』になりたいと
今日の今日まで真剣に思っていたのに 浅はかで単純な母は
生の夫を目の当たりにして『あっ』と言う間に 
それこそ長い夢から覚めたように夫への愛に目覚めたのでした。

そして自分がして来た夫への裏切り行為は棚に上げて今まで通り
幸せな夫婦生活が送れると自分勝手に思い込んでいたのでした。

佐藤の呪縛から解放された今、改めて考えて見れば 
『佐藤の妾になる』と言うことは、たった数時間の『SMプレイ』
で得られる肉欲の快楽と引き換えに、
今まで積み重ねてきた夫婦の幸せ、これから先にずっと続くであろう
何十年間にも及ぶ幸せな家族の生活を捨て去る事だったのです。

夫との十数年間に及ぶ夫婦生活中で感じた夫と暮らす幸せ、
子供達と一緒の幸せ、隣近所、親戚付き合いで感じる幸せなどが 
全て合わさった掛け替えの無い幸福の時間、そればかりかその幸せの
時がこの先何十年間も続く人生を捨ててまで、一時の快楽に身を委ねて
いたいとは、いくら浅はかで単純な母でも 比べる事さえ有り得ない
ばかげた事だと今更のように気付くのでした。

そうして あの白いバッグこそが、その大切な夫の変わらぬ
愛の証のような気がして自分の中では何物にも変えがたい 
世界中で一番大切な物に思えていたのでした。
それを図らずも夫の手で窓の外に捨てられたのです。
自分が蒔いた種とは言え 母は愛する夫に自分自身が
捨てられたような気がしたのでした。

「ちくしょう!許しちゃあおかねえ」
怒りで全身を震わせた父が急に部屋を出て行こうとしました。
「何処へ行くの? ねえ、あなた行かないで!」
あまりの突然の事に危険な空気を感じた母が止めると
「佐藤の家へ行ってくる。許しちゃあおかねえ!
あいつをぶんなぐってやる!」
「やっやめて!お願いだからやめてよ!」
母は必死で父にしがみ付き止めようとしました。
「お前はそうやってあいつを庇うんだな? そんなにあいつが
好きなのか!?ええっ!! 俺なんかがどうなろうとも 
あいつの事がそんなに心配か!?お前にとって
あいつはそんなに大事な男だったのか!?」
そう言われて母は、又しても父の気持ちを
逆撫でしている事に気が付くのでした。

「そうじゃあない!そうじゃあないの・・あたしが愛しているのは
あなただけよ・・・ねえ、あちらには奥様がいらっしゃるのよ 
奥様に、奥様に悪いわ」
「ふざけるな!! 奥さんが居るだと! その奥さんに顔向け
出来ねえ事をしたのは、何処のどいつだ! 
俺はあいつに女房を寝取られたんだぞ!あいつのお陰で 
この家はもうおしまいだ。あいつの家もぶち壊してやる」
父はそう怒鳴ると階段を急いで降りてゆきました。
母にはもうどうする事も出来ませんでした。
ただいくら浅はかな母でも 今、確実にこの幸せな暮らしが
音を立てて壊れてしまった事だけは解るのでした。

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