−−−②再会
彼女の誕生日から、ちょうど2ヶ月くらいたった日の事です。
『え、らっしゃーぃ!』
私は失恋の痛手が癒えぬまま、いつものように24時間営業の牛丼屋で夕方5時から夜11時まのアルバイトを再開しました。
卒業まで、あと僅かの日数を残すのみです。
『え、らっしゃ…い…』
一瞬、その人が彼女だとは判りませんでした。
長かった自慢の黒髪を切りショートカットにしたその人は、カウンターの中の私のまん前の席に座りました。
「あの…ご注文…は…」
「並…」
『並一丁っ!』
(コトッ)
私が牛丼を置いても彼女はそれを食べようとはしませんでした。
そんな彼女の事がとても気にはなりましたが、私は他の客の対応に追われていました。
彼女はただ黙って…あちらこちらの客に対応する私の姿を見ていました。
「ごちそうさま…」
牛丼に最後まで箸を付けないまま、彼女はそう言うと私に代金を支払いました。
「ね、アルバイトが終わるのは何時?」
「11時だけど…」
「今日は何か予定はあるの?」
「いや別に…無いけど…」
「それじゃアルバイトが終わったらウチに来て」
「う…ん…」
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彼女のマンションの部屋のインターホンを鳴らしました。
「僕…だけど…」
「鍵は開いてるわ。 入って来て」
ドアを開けると部屋の中は真っ暗でした。
「灯りは点けないでっ! 鍵を掛けたら…お願い…そのままこっちまで来て…」
驚いた事にマンションの中には家具らしい家具は何一つ無くなっていました。
私は手探りで壁を伝うようにして彼女のベッドルームに入りました。
窓から差し込む街明かりで部屋の真ん中に何かがあるのは判りました。
彼女はフローリングの床にホットカーペットを敷き、電気毛布にくるまり顔だけを出していました。
そして毛布の端を少し持ち上げると私に言いました。
(服着たままでいいから、来て…)
私は言われるままに彼女の毛布に潜り込みました。
彼女は毛布の下で全裸で横たわっていました。
そして私の服を一つ一つ脱がせると私の体の上に被さるようにして唇に舌を差し入れてきました。
(なんて暖かくて柔らかい…)
全身が彼女の体温に同化していくのがわかりました。
(冷たいね…貴方の手…。 大丈夫? 寒くない? 手、貸して…)
彼女は私の冷え切った手を自分の股間に挟み込み暖めてくれました。
手首に陰毛のシャリシャリした感じが伝わってきます。
汗ばんだような陰唇にピトッと掌が吸い付くように密着しています。
(お腹…空いてない?)
(バイト先で食べてきたから…)
(そう…。 ね、いつもあんな風に働いているの?)
(うん…。 昼間の人より時給がいいから1日4千円くらいにはなるんだ)
どうだ、結構稼いでいるだろうと、少し得意気だったかも知れません。
(あの時の指輪、いくらしたの?)
(バイト代の…3か月分…)
彼女に食べさせて貰った分、何処かに連れてって貰った分、それらはみんな、あの指輪を買う為に貯金したのです。
(本当にバカね。 それだけあればバイクとか、もっと好きな物が買えたでしょうに…)
(だから… 一番好きなものを手に入れたくて…指輪を買った…)
(バカ…)
私の手が指先まで温まった頃、彼女は私の全身を唇で辿り始めました。
首筋、肩、胸、乳首、わき腹…。
やがてその唇が私の中心を捉えると…その先端に唇を被せていきました。
それは長く続き全身まで吸い込まれそうな気がしました。
『あっ出る! 出ちゃうっ!』
(出して…)
私が射精を繰り返す間、彼女は根元まで咥えたまま、じっとそれが治まるのを待ってくれました。
やがて搾り出すようにして舌で絡め取ると喉を鳴らして飲み込みました。
(ね、もう1回…。 できる?)
私が頷くと、再び私のペニスを喉の奥まで飲み込んでいきました。
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