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北原夏美 四十路 初裏無修正

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−−−②制裁

翌日私は、総務課に由香里を配偶者から外すよう届出を済ませました。
総務課を出た時、私を追いかけてきた声に呼び止められました。

『美由さんっ!』
「え? ああ、君か…」

声の主は真理子でした。

「由香里と離婚したんですか?」
「うん…まあ…」
「幸せそうだったのに…」
「由香里にはそうでもなかったみたいだ」
「これからどうするんですか?」
「どうするって、どうもしないさ…。また一人に戻っただけだ」
「そう…。 ごめんなさい、立ち入ったことを聞いて」
「いや、いいんだ。 それじゃ手続きの方宜しくな」
「あっ、今はこの住所に?」
「あ、ああ。 次にマンションでも買うまでの仮住まいさ。 その時はまた総務課に住所変更の手続きに来るよ」
「はい。 お待ちしています。 気を落とさないでくださいね」
「ありがと。 そんなことを言ってくれたのは君だけだ(笑)」

3週間の休暇の間にバタバタと離婚の手続きを済ませ、私はプロジェクトに戻りました。

プロジェクトは何とか軌道に乗り、私は延べ1年間の出張を終え会社に戻ることになりました。
会社に戻ると早速後輩から由香里の相手は例のアメフト部の男だと聞かされました。
でももう…、そんなことはどうでも良いことでした。

相変わらず猛暑は続き、それからしばらくは身も心も抜け殻のようになった日々が続きました。


そんな夏の土砂降りの雨の晩、インターホンが鳴りました。
由香里がずぶ濡れでそこに立っていました。

「ど、どうした…? 良くここが判ったな。 さぁ入れ」

彼女はコクッと頷くと部屋に入りました。
青白い顔をして体を震わせている彼女にバスタオルを掛けると、彼女の為に風呂を沸かし始めました。

「入るといい。 着替えも用意しておくから」

私は彼女にバスタオルとスエットの上下を用意するとミルクを温め始めました。
風呂から上がっても彼女はバスタオルを頭から被ったまま、押し黙ったままでした。

「由香里の好きな甘いホットミルクだ。 きっと体が温まる。 飲むといい」
「私…」
「何も言わなくていい(笑) 今は俺が悪かったと思っている。
 もう心の整理は付けたんだ。 君は君の選んだ人と幸せになるといい(笑)」

彼女がそれを聞いて堰を切ったように泣き出しました。

「私…私…遊ばれただけなのっ!」
「え?」
「あなたと別れたら結婚しようって…そう言ってたのにっ!」

泣きながら途切れ途切れに語る由香里の話ではありましたが、おおよその見当は付きました。
アメフトの男は由香里に振られた腹いせに、私の留守中、由香里にトラップを仕掛けたのだと。

そして…由香里の体だけでなく心まで弄んだ…。

「そっか、わかった。 今日は遅いから泊まっていくといい。 明日の朝、君を送っていく」

泣きじゃくる由香里をベッドルームに案内すると、由香里は私の体にしがみ付いてきました。
でも…、私にはそれに応える術がありませんでした。

私はソファに横になると隣の部屋で一晩中繰り返す由香里の嗚咽を聞いていました。

翌朝、少し早めに身支度を整えると、私のベッドから出ようとしない由香里をなだめ自宅へと送り届けました。
そしていつも通り会社に出勤しました。
そして不在の部長の席に辞表を置くとアメフトの男の所へ行きました。

「話がある」

男は私を見て全てを悟ったようでした。
人気の無い階段の踊り場で、私はその男に対峙しました。

「俺の言いたいことが解るか?」

男が首を振りました。

「無口なのか…。 そうか、そりゃ良かった!」

ニヤニヤと笑うその男の口元を見て、一気に怒りが全身を突き抜けました。
私はその男のネクタイを腕に巻きつけるようにして引き付けると足を払い階段下へと投げ飛ばしました。
男は一回転して1、2メートル下の踊り場の床に叩きつけられました。

「実は俺も口下手なんだ」

私は階段を降り、男の顔を見下ろしました。

「今のは由香里の体の痛みの分、そしてこれが…」

アメフト男の腹を蹴り上げました。

「由香里の心の痛みの分だっ! 取っとくといい」

私はしゃがみ込むと苦痛と恐怖にゆがむ男の太い首を掴みました。

「安心しろ、俺の分は今回は無しだ。 俺にも悪い所があったからな。
 怪我は…してなさそうだな…。
 アンタが頑丈な体で良かった。 それだけは礼を言う」

男の頚動脈を親指と人差し指で軽く押さえると男は簡単に気を失ってしまいました。

(貴様は男のクズだ…)

完全に頭に血がのぼっていたのです。
生まれて初めて私の方から喧嘩を売った上に、相手も体育会系で体も一回り以上大きい相手でした。
スキだらけの相手ならともかく、そうなればお互い手加減もへったくれも無いだろうと会社を辞める覚悟が先に立っていました。

本当にバカだったのです。

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由香里はあの日以降、何度か私の留守にアパートを訪れたようでした。
手紙や食べ物などが時折届けられていました。
そしてそれらに私が応えることはありませんでした。

(もうあの頃には戻れないんだ…。 俺のことなど忘れてくれ…)

やがて私は、由香里には何も告げぬまま新しいマンションへと引越しを済ませました。

アメフト男はあの後、誰かに助け起こされたようでしたが、階段から落ちて気を失ってしまったと私との一件は伏せたようでした。
さしたる理由も無い私の辞表も、結局は受理されることはありませんでした。

(俺は運が良かっただけだ…)

私は今更ながらにアメフト男に怪我をさせずに済み、新しいプロジェクトに没頭する毎日を取り戻せたことに感謝していました。

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