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北原夏美 四十路 初裏無修正

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−−−③転機

そんな私達の間にも転機が訪れました。
真理子が女子総合職一期生として抜擢されたのです。
彼女には一年間の海外研修が課せられました。

「引き止めてはくれないの? 貴方が会社を辞めろと言うなら…私…そうする」
「君はもっと高いところを目指すべきだ。 能力もある。 きっといい管理職になれる」
「私、そんなもの望んでいない。 ただ貴方と一年も離れて暮らすのが嫌なだけなの」
「君の為だけじゃない。 君の後に続く女子社員の為にも頑張って欲しいと思っているんだ」
「貴方はそう言うと思った。 いつも仕事をする上では男も女も関係ないって言ってたものね」
「君は女子社員の希望の星になるかも知れない。
 仮に俺を飛び越し上司に納まったとしても、君が上司なら俺は喜んで最良の部下になる道を選ぶ。
 嘘じゃ無い」

本音でした。
資質さえあれば学歴、性別を問わずどんどん登用すべきだというのが私の持論だったからです。
常日頃から、柔軟な発想も出来ないボンクラ男性社員など何人居ても何の足しにもならない事を嫌と言うほど見てきました。
これからの社会には彼女のような有能な女性の力が欠かせなくなる。
そう信じていたからです。

「俺とのことなど後回しでいいんだ…。 君にこのチャンスを潰して欲しくない」

彼女は深い溜め息つくと私の体の上に乗ってきました。

「ねぇ…今夜はもっとしてくれる?
 真理子の唇も…あそこも…お尻も全部壊れちゃうくらい…愛して欲しいの…」


彼女は研修の準備に忙殺されたのか、その日を境に私のマンションを訪れる事も無くなりました。
数日後には海外研修に旅立つ彼女の為に、同僚、友人、後輩達がささやかな壮行会を行ってくれる事になりました。

「え? 俺も?」
「真理ちゃんが是非にって。 いいじゃないですか、私達ともまんざら知らない仲じゃないし」
「いや、でも…」
「はい、美由さん参加っと。 じゃ場所と時間、決まったら連絡しまーす」

女性ばかりの壮行会に何故か私も招待されることになりました。
私は幹事の子に彼女への花束を預けると一番隅の席で会の進行の邪魔にならないことだけを心がけ座っていました。

会は和やかに進みました。
彼女は一人一人にお酌しながらお礼を述べて回っていました。
ただ、私の所のテーブルだけはお酌をしに来る事はありませんでした。
私を明らかに避けているのがわかります。
最初から最後まで、彼女には無視されっぱなしでした。

最後に彼女はたくさんの花束を後輩達から受け取り涙ぐんでいました。
彼女がスピーチを求められました。

彼女は少し酔ってるようでした。

「最後になりましたが私が上級職を目指す事を一番に賛成し、私の背中を押してくれた美由さん」
「わぁー、美由さん、立って! 立って!」

どこからかヤジが飛びました。
私は雰囲気に飲まれ立ち上がりました。

「私は貴方を恨んでいます」

てっきりお礼の言葉が続くと思っていた周囲は爆笑に包まれました。

「貴方が引き止めてくれれば私がこの研修に参加する事はありませんでした。
 まだ、間に合います。 引き止めてはくれませんか?
 私を今すぐお嫁さんに欲しいと言ってはくれませんか?」

皆が一斉に私を見ました。
私と彼女の関係を、その時始めて知った子ばかりのようでした。

「真理子…さん。
 俺は君が女性初の管理職になることを心から望んでいる。
 君にはその能力が充分ある。 そして君ならきっと乗り切れる。
 怪我や病気に気を付けて…研修が終わったらまた元気な姿を見せて欲しい」

「そう言うと思ったっ! 美由真のバカっ!」

彼女が子供のように泣きじゃくり始めました。

「さ、最後まで聞いてくれっ!
 どうしても無理だったり…嫌だと思ったら…その時は俺の所に帰って来てくれ。
 いつまでも待ってる。
 会社が必要とする以上に…俺には君が必要なんだっ!」

誰かが私の背中を押しました。
私はイスを避けながら彼女のそばまで進みました。

「何で今すぐと言ってくれないの?(泣) 貴方なんて最っ低…」

そう言うと私に倒れ掛かってきました。

遅かれ早かれ同じことでした。
彼女との関係が皆に知れるのは構わないと思っていましたが、まさかこんな時に、こんな所でとは思っても見なかった私は、ただただ狼狽していました。

ありがたい事に同席した子達は、私と真理子の関係を好意的に受け止めてくれたようでした。
ささやかな壮行会は泣き上戸の真理子を私が抱いて受け留めた所でお開きにしてくれました。

「それじゃ美由さん、真理ちゃんを宜しくね?」
「気を遣わせてすまん。 彼女は送って行く」

私はタクシーを停め彼女を乗せました。

「あなたがお嫁さんにしてくれるって言った事、私、信じてるから。 浮気なんかしたら承知しないから…」
「君がマンションの合鍵を持っているうちは浮気などしない(笑)」
「ん、わかった…。 それじゃ…貴方のマンションに…連れ…てって…」

タクシーの中で彼女はそう言うと、私の膝を枕に眠ってしまいました。

出発までの三日間を私のマンションで過ごし、彼女は異国へと旅立ちました。

私には絶対に見送って欲しくないと、そう言い残して。

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