[2475] 隣の芝生 34 投稿者:石井 投稿日:2005/12/15(Thu) 17:55
片山は勧めてもいないのに図々しく上がり込むと、私を見て薄ら笑いを浮かべています。
「お休みのところを申し訳ございません。急に仕入先と商談になってしまったので、奥様にも同
席して頂きたいのです。宜しいですか?」
妻は断って欲しそうに、私を縋るような目で見ていましたが、まだ腹の決まっていない私は頷く
しかありません。
「真美さん、ご主人に許可はもらえましたから、早く仕度をしてきて下さい」
仕度を終えた妻は何度も振り返りながら、寂しそうな目をして片山の車に乗り込みました。
結局私は自分を守る為に、妻を片山に貸してしまったのです。
今日は本当に商談なのだと自分に言い聞かせていましたが、そうでない事は私自身が一番分かっ
ています。
私は食事をとる事も出来ずに、一日中寝室で悶々としながら妻の帰りを待ちましたが、旅行以降
早く帰って来ていた妻は、8時を過ぎても帰って来ません。
おそらく私の公認を得たと思っている片山に、放してもらえないのだと思った私は、ようやく重
い腰を上げて妻に電話を掛けようとした時、家の前で車の止まった音がしたので下りて行くと、
玄関に2人が立っていました。
「思ったよりも商談が長引いてしまって、遅くなって申し訳ございません。食事は済ませてきま
したので、遅くなりついでに今から私の家で、明日の打ち合わせをしておこうと思います。また
奥様をお借りしますが、遅くなるかも知れませんので、ご主人は先に寝ていて下さい」
妻は終始俯いていて、私の顔を見ようとはしません。
見ようとしないと言うよりも、私の顔を見られないような行為をしていたのでしょう。
「いいえ、妻も疲れているようですから・・・・今日は・・・・・」
「真美さん、疲れていますか?どうです?答えて下さい?どうするのです?」
「・・・・・・私は・・・大丈夫・・・・です」
「ご主人、そう言う事ですから・・・さあ、真美さん行きましょう」
私と妻を引き離そうと思ってなのか、私の心まで弄ぼうと思ってなのか分かりませんが、片山は
堂々と妻を誘って、まるで自分の物だと言わんばかりに、妻の腰を抱いて出て行きました。
一人残された私の脳裏には、妻があの部屋で縛られて辱めを受けている姿が浮かび、このまま何
もしなければ、離婚と言う言葉が現実味を帯びてきてしまうと思いました。
私が片山の言い成りになっている訳までは知らないでしょうが、疑っていながら助けもせずに、
簡単に従ってしまうこんな私を、妻は軽蔑しているかも知れません。
妻と片山の仲を疑いながら戦わない私に、落胆しているかも知れません。
妻は、私の妻に対する愛すら疑い始めているかも知れません。
このままでは本当に離婚する事になってしまうと思った私は、同じ様に片山の毒牙にかかり、ご
主人と別れなければならなくなった由美子さんの、離婚に至った部分を読みました。
〔由美子の旦那に知られてしまった。一瞬不味い事になったと思ったが、逆に由美子を私一人の
女に出来るチャンスだと思い直した私は、由美子をどのように嬲り、由美子がどのような反応を
見せたか詳しく聞かせてやった。旦那は由美子が、嫌々耐えていただけだと思っていたようだが、
始めの頃はともかく、今では喜んで受け入れるようになっていた由美子の姿を知り、可也のショ
ックを受けて私に殺意まで抱いたようだ。しかし旦那は私に罵声を浴びせるだけで所詮自分が可
愛く、何も出来ない情けない男だった。こんな男と一生を共にするのは、由美子にとって不幸だ。
私がこんな男から開放してやろう〕
慰謝料を払った事で、この件についての責任は無くなったと言って、片山はご主人と会う度に、
由美子さんがどのように辱められ、次第に自らも快感を求めるようになっていった様子を話して
聞かせるという嫌がらせを繰り返し、やがてご主人は疑心暗鬼に陥ってしまいます。
由美子さんの仕事は辞めさせたものの、気持ちでは嫌がっていても、身体は片山を求めるように
なってしまったのではないのかという思いが頭から離れず、仕事に行って留守の間に、また片山
に弄ばれていないか心配で精神的に追い込まれ、行き先を片山に知られないように、逃げるよう
に引っ越していきました。
〔行き先を告げずに出て行ったが、引越し業者は分かっていたのでいくら口止めしても、金を握
らせれば引越し先など簡単に分かる。わざと旦那の帰る時間に、引っ越したばかりのアパートの
近くにいて、旦那に「お邪魔しました」と告げて帰ってやった〕
ご主人に片山が来ていたかと聞かれ、当然由美子さんは知らないと答えたのですが、引っ越して
からも由美子さんが片山に嬲られている姿ばかりが浮かび、苦しみが続いていたところにこの事
で、由美子さんに対しての不信感が拭い切れずに、まだ愛していながらも楽になりたくて離婚を
決意してしまいます。
由美子さんもご主人を愛していたのですが、自分の犯してしまった裏切りで苦しんでいるご主人
を見ているのが辛く、離婚を受け入れてしまいました。
〔お互い愛し合いながらも別れなければならない。可哀想には思うが私に罪は無い。こんな事ぐ
らいで別れてしまったあの2人は、遅かれ早かれ別れる運命だったのだ。私は旦那に全て話した
訳では無い。私の部屋での出来事は話さなかった。由美子は旦那と別れた後も、その事だけは知
られたくないのだ。まだ愛しているが故に知られたくないのだ。それが女心なのだと思った。特
に真面目な女の方が、別れた後もそんな女だったと知られる事を嫌う。別れた後も、少しでも良
く思われていたいのだ〕
由美子さんはその事で片山に呼び出され、また関係を強いられてしまいます。
〔旦那と別れた後、初めて由美子を可愛がってやった時の興奮は忘れられない。私を怨みながら
も、感じてしまう身体をどうする事も出来ない。口惜しくて泣きながらも、大きな声を出しなが
ら達してしまう姿。私を憎んで怖い目をして睨みつけながらも、最後には私に許しを請いながら
達してしまう姿は、思い出しただけでも下半身が熱くなる〕
私も由美子さんの、ご主人と同じ気持ちになると思います。
仮に2人の関係をやめさせる事が出来ても、昼間会社に行ってしまえば心配で、仕事どころでは
無いでしょう。
その上私は弱味を握られていて、関係をやめさせる事も出来ないでいる。
このままでは私も妻も精神的にまいってしまい、最後は片山の望み通り、離婚になってしまうか
も知れません。
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