[2355] 背信3 投稿者:流石川 投稿日:2005/11/02(Wed) 04:59
川村という担当編集者にしつこく口説かれていることを、夫の亮輔は知っている。いつだったか夫婦のセックスの後、ピロートークで男関係を問われ、ベッドに入る前に飲んだワインの酔いも手伝って告白したことがあるからだ。
「へえ……まあ、由紀は美人だもんな。……で、その……由紀の気持ちはどうなんだ?」
平静を装ってはいたが、亮輔の声はかすかに震え、瞳の奥に暗い炎が揺らいでいた。
「うふふ。ばかね、そんなことあるわけないでしょ。川村さんってタイプじゃないし、わたしが愛しているのは、リ・ョ・ウ・ス・ケ・だ・け」
甘えた声を出すと、思いがけないほど強い力で抱きしめられた。三十分ほど前に射精したばかりだというのに、硬くいきり立ったモノが、由紀の下腹部に押し付けられた。
「なんて……なんて素敵なおっぱいなんだ……」
、今、そのタイプではなかったはずの男と裸で抱き合っている。このことを亮輔が知ったら、嫉妬のあまり発狂するかも知れない。見事に発達した豊満な美乳を揉み込まれ、チュウチュウと音を立てて乳首を吸われながら、由紀はぼんやり天井を眺めていた。
(この取材旅行が決まったときから、川村さんに許してしまうつもりだったの……)
ショーツに川村の手がかかった。出発の二日前、わざわざ専門店まで買いに行き、旅行鞄に忍ばせてきたフランス製のシルク下着だった。脱がせやすいように、由紀は腰を浮かせた。
(あなた、ごめんなさい)
亮輔と結婚してから、初めて他の男と共にするベッドだった。
「あっ……」
脚が大きく割り開かれるや、川村のペニスが性急に胎内へと入ってきた。肉襞をメリメリと押し開かれる感覚に、由紀はその巨大さを知った。亮輔より、いや由紀が知っているどの男の記憶よりずっと大きい。絶息せんばかりの圧迫感である。しかし、痛みもなくすんなりと受け入れたことで、由紀は自分の秘芯が熱く濡れそぼっていたことを知った。
「うううっ、これが由紀ちゃんのおま×こなんだね。ああ、絡みついてくるよ」
焦がれ続けた由紀の秘部。その感触をたっぷりと反芻した後、川村が律動を開始した。繰り出される巧みな抽送に、由紀の口から思わず、あえやかな声がもれる。
「あああ……すごい……」
「僕のものが、由紀ちゃんの中に入ったんだね」
正常位にも関わらず、怒張の矛先は確実に由紀の子宮を突き上げてくる。これまで体験したことのない甘美な感覚は、ただ亮輔に対する裏切りの想いを振り切るためだけのものではなかった。
「あああ……そうよ……わたしと、したかったんでしょ?……あん」
思ってもみなかった挑発的な言葉を口走ったのも、ゆらゆらと妖しく燃え上がっていく由紀の官能がなせるわざだった。
「……ああ、そうだよ。ずっとこうなる日を夢見てたんだ」
「由紀の……あんっ……裸とか想像したりしてたの?……ああっ、いいっ」
何度拒絶しても、川村が自分を諦めていないことを、由紀は女の本能から知っていた。その熱っぽい視線を嫌悪しつつ、ストレートぶつけられる欲望に、女として密やかな自負を感じていたのは事実だ。それが今、三年越しの肉体関係として結実した。
「ああ、そうだよ……おっぱいとか、おま×ことか、空想してはオナッてた。……思ってた以上だ。最高だよ」
耳元で囁かれる露骨で卑猥な川村の言葉が今は耳に心地よく、由紀を一層煽り立てる効果をもたらした。突き上げられるたび、身体の奥底が灼けただれた感触に包まれ、頭の中で火花が弾けていく。
「どうして突然……ううう……許してくれたんだい?」
「…………」
亮輔の顔がちらりとよぎり、消えた。今は何もかも忘れて、川村とのセックスに身を委ねたかった。川村の頭に手を回すと、自分から唇を重ねる。官能の炎に炙られながら、すらりと伸びた脚を川村の腰に絡ませると、自分から求めるように腰を揺すり出した。
「……そんなこと…いいじゃない……由紀も……ああ、気持ちいい……」
「うう……ど、どこがだい?」
「……おま×こよ。由紀のおま×こ……ああああん」
恥ずかしい言葉を口にした瞬間、由紀の中で何かが弾けた。髪を振り乱せた凄絶な美貌と、匂うような艶めきに染まる肌がのたうつさまに、川村の欲情は一気に高まる。
「も、もっと言ってくれ!」
「川村さんとセックスして、由紀、おま×こ気持ちいいの。あああっ」
もう限界だった。一際大きなストロークを由紀の最奥に打ち込むと、川村は積年の想いを叩きつけるように、白濁の精を由紀の子宮めがけてしぶかせた。
「……素敵よ、川村さん!」
熱いほとぼしりを胎内深くに感じて、由紀はめくるめく快感に昇りつめ、無我夢中で川村の背中にしがみついた。
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