[2365] 背信6 投稿者:流石川 投稿日:2005/11/04(Fri) 09:16
その日、取材が終わるや川村は、現地に住む旧来の友人と会うというのを口実に早々に他のスタッフと別れた。もちろん、自室に戻って由紀の携帯に連絡し、呼び戻す魂胆だった。すると驚いたことに、
「わたしも、今日は食事失礼していい? 疲れたみたいで、ちょっと体調が悪いの」
由紀が言い放ったのだ。一睡もしていない疲れがあるのも事実だろうが、
(早く俺とふたりになりたがってるんだ!)
今こそ川村は確信した。
「あれえ? 何だかふたりして怪しいなあ」
カメラマンがひやかしたが、昨日までの他人行儀な雰囲気を知っている彼が、本当はまるで疑ってなどいないことは明らかだった。
いったん自室に引き上げた川村は、すぐに内線電話で由紀に連絡を入れた。
「俺。これから行っていいだろう」
「え? で、でも……」
昨夜以前にリセットされたというほどではないものの、由紀の声は硬く、よそよそしさを含んでいる。
「とにかく行くよ。話はそれから」
言うや川村は、小走りで由紀の部屋へ向かった。一刻も早く、由紀の身体に新たな自分の刻印をきざみつけなければならない。
(まだ、由紀の気持ちは揺れている。今日、もうひと押しすれば、完全に俺の女になる)
ノックをすると、少し間をおいて扉が静かに開かれた。取材中にまとっていた清楚なワンピース姿のままである。昼間、抑えていた欲情が堰を切って噴出し、川村は乱暴に由紀の身体を抱きすくめた。かぐわしい髪の香りが鼻腔を刺激する。
「あ……ちょ、ちょっと……」
「嘘なんだろう、調子が悪いなんて」
言いながらも、首筋に舌を這わせ、胸のあたりを激しくまさぐる。
「やめて。そんな、いきなり……」
あらがう由紀に構わず、川村は手をスカートに割り入れ、一気にパンティの中にまで押し進めた。そこはもう十分なほどに熱く潤っていた。
「……ほら。こんなに……俺に抱かれたいと思っていてくれたんだろ」
由紀の抵抗がやんだ。川村の背中におずおずと腕を回し、胸に顔を埋めてくる。
「……だって……」
由紀が股間を濡らすまでに自分を求めていたと知って、川村は有頂天だった。
「俺もだよ……ほら……」
手をとって屹立している怒張へと導いた。由紀はまったくなすがままだった。
「……ああ……」
甘い息をもらすと、ゆっくりと川村の股間をまさぐり始める。それだけでもう、爆発してしまいそうだ。由紀を抱き上げると、川村はベッドに横たえた。衣服を脱ぎ捨てる川村の気配を感じながら、由紀は瞳を閉じて、やがてくる充実のときを待った。
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