[2449] 背信 <第二部 3> 投稿者:流石川 投稿日:2005/12/08(Thu) 22:46
夫婦の褥に見知らぬ女を招き入れて交わらせるという、常軌を逸した策略に加担したあの晩。
一服盛られた亮輔が深い眠りに落ちたのを確認すると、由紀は教えられていた携帯番号に連絡し、麻美という女を呼び寄せた。
「ひどい女ね。あなたも、わたしも……」
自嘲とも憐憫とも取れる薄い笑顔を浮かべると、麻美はハイヒールを脱いだ。
(……きれいなひと……)
静脈が透けて見える白い肌と、濡れたような黒髪のコントラスト。どこか冬の北国を想起させる、儚げでいて凛とした風情。貞操的でありながら、そこはかとなく漂う娼婦の妖しさ。雪女のイメージそのままだと由紀は思った。
昏睡する亮輔を二人がかりで寝室へ運ぶと、川村の指示に従って衣類を剥ぎ、ベッドの支柱に手足をくくりつけた。
「じゃあ、あとはまかせて。あなたは行きなさい」
麻美がスーツを脱ぎ始める。着やせする性質なのだろう、思いもよらず成熟した肢体が表われた。
「あの……よろしく……お願いします」
我ながら間抜けな言葉を返して、由紀は家を出た。
(あんなひとに迫られたら……わたしが男でも我慢できない)
それでいて、亮輔なら拒絶してくれるのでは、という期待がどこかにあった。
(わたしを愛してくれているなら……耐えて……)
自己本位な願いだということはわかっている。自身は他の男に身も心も支配され、あげくこのように悪魔的な企てに手を染めてしまった。妻として夫に何もいう資格などない。
(でも……勝手よね……わたしはあなたを信じたいの)
川村は自室でソファに寝転んでいた。下半身には何も着けず、今日も股間の逸物は反り返らんばかりに怒張している。
「ちょうど今、麻美から連絡があってな。ドッキング成功、第一回戦を終えたところだってよ」
脱力感に襲われた。夫を奪われた妻の嫉妬、拒みきれなかった夫への怒り。理性ではコントロールできない感情が湧き上がってくる。
「お、ショック受けてるみたいじゃねえか。そりゃあ酷だぜ。女房はさんざっぱら俺とやりまくってんだからよ」
「……言わないで……もう……」
由紀は長い睫を伏せたまま、ワンピースのボタンに指をかけた。
その後の交わり。由紀はいつも以上に激しく乱れ、みずから絶頂を求めて淫猥の限りを尽くした。
(今この瞬間、亮輔はあの麻美って女とセックスをしてるんだわ)
強烈な感情が渦巻き、圧倒的な刺激となって由紀の総身をあぶった。
「向こうはぼちぼち第二回戦か。バックから麻美を責めまくってるってとこかな」
川村が冷やかすように笑う。
「由紀にも……同じようにして……」
進んで獣の姿勢となり、形のいい双臀をくねらせてねだる。
「麻美はケツの穴で感じる女だからな。ブチ込んでるかも知れねえぞ、ふふ」
「お尻に……お尻にください!……大きいのでかき回して、メチャクチャにしてえっ!」
全身の穴という穴から凝縮された快楽が噴出し、どろどろに溶けてしまいそうだった。
「ねえ……言ってよ!……由紀のおま×こが一番だって……麻美なんかより全然いいって……お願いだから! 」
汗をほとばしらせながら絶叫する。自分でも何を言っているのか、わからなくなっていた。
この夜、亮輔と由紀は、それぞれに完全な形で犯された。
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赦せねえ・・・
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