薬剤師 2.
津島正義 3/30(月) 20:26:17 No.20090330202617 削除
村澤営業本部長は先頭に立って、健康関連食品メーカーからの販売代理権の取得や委託生産の拡大等を通じて取扱商品を増やす一方で、首都圏から地方まで全国的な販売網を拡大・整備してきました。
現在、 同本部長は訪問販売・通信販売・ネット販売などを展開する直販部と、医薬品量販店、スーパーマーケット、コンビニなどへの販売を担当する営業部を統括しています。
私はというと、2008年初め上司から中国への長期出張を命じられました。中国で食品の現地生産を開始するため、現地企業と合弁で工場を建設しており、生産設備の据え付けや試験生産、本格生産を現地で指導して欲しいというものでした。
期間は2008年4月から約3カ月間ということです。このプロジェクトについては良く知っていましたが、自分が行くとは夢にも思っていませんでした。
上司の話では製造課長に出張させることに内定していたのですが、課長の奥さんが病気で入院しており、長引くという話なので、人道的配慮から私にお鉢が回ってきたというわけです。今回の任務から見て、製造技術や品質管理の技法に長けたものでないと務まらないので、私も納得せざるを得ませんでした。
中国への出張が近づいてきた3月の中旬に、妻が相談事を持ってきました。
「仕事のことなんですが、村澤本部長から、自分の業務を補佐して欲しいと言われています。地方への出張が伴う新しい仕事です。出張が伴いますので、私の一存では決められなくて……」と妻は説明し始めました。
「営業本部長の業務を補佐する?。それって、どんな仕事をするんだ?秘書業務か?菜穂子に務まる仕事か?」私は妻に聞いてみました。というより問い詰めたという方が正しいかも知れません。
「営業本部長によると、うちは東京など関東圏の営業基盤は強く知名度も高いのです。しかし、地方ではまだ脆弱で知名度も低いのが現状です。それで3カ年計画で地方での流通販売網を抜本的に整備し、知名度を高め、販売力を強化しようとしています。
最初の2年間は東海、関西、中国、四国、九州に重点的に取り組む計画です。それに伴い営業本部長の仕事を補佐することが必要なのです。それは秘書業務ではありません。3カ年計画を作成し、推進する業務補佐で、計画が軌道に乗るまでの期間ということです。
各営業所からは顧客とのダイレクトな流通経路を確保した流通販売網の強化案を提出されています。それを参考にして本部長の下で3カ年計画の作成が進められています。私にそれを補佐して欲しいというのです。」
妻は村澤本部長に教えられたのか、スラスラと説明しました。
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